(ブルームバーグ):米国防総省は29日、ステルス性を備え、機密指定となっている海軍の次世代主力戦闘機「F/A-XX」の製造企業として、ボーイングを選定したと発表した。受注を巡り、同社は、ノースロップ・グラマンと競っていた。
契約額は200億ドル(約3兆1000億円)を超える。主力戦闘機計画でボーイングが受注するのは2年連続。同社は2025年、空軍のステルス戦闘機F47を巡る契約でロッキード・マーチンに勝利していた。
ボーイング株は29日午後のニューヨーク市場の時間外取引で一時2.5%上昇。ノースロップ株は4.1%下落した。
F/A-18ホーネットの後継機として計画されるF/A-XXについて、海軍が公表している詳細は少なく、開発・調達費の総額見通しや調達機数、運用開始時期などは明らかにしていない。
航空機アナリストのリチャード・アブラフィア氏は「負けても問題にならないような競争だ」と指摘。ノースロップもB21ステルス爆撃機と大陸間弾道ミサイル(ICBM)「センチネル」を開発していることを踏まえ、「両社とも抱えている仕事は非常に多く、今後さらに増える」と述べた。一方、F47に続く受注により、ボーイングは「新たな世界の覇者」に上り詰めたとも語った。
ボーイングの防衛部門には今週、追い風が相次いでいる。米航空宇宙局(NASA)は28日、ボーイングの有人宇宙船「スターライナー」を使い、国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行を最大5回実施する見通しだと発表した。不具合に見舞われたこの宇宙船にとってプラス材料となる。
今回の契約は、収益源である737MAXの認証で新たな問題に直面するボーイングにとって、待望の受注でもある。米規制当局は新たに判明したソフトウエアの不具合を審査しており、結果次第では機体の納入に支障が生じ、同社の収益を圧迫する恐れがある。
ヘグセス国防長官とファインバーグ国防副長官は25年からF/A-XX計画の開始に反対。米国の防衛産業基盤は、二つの航空機計画を同時に進めることはできないと主張していた。
しかし、議会が計画推進のため数億ドルの予算を計上したことで、国防総省は計画を進めざるを得なくなった。
海軍はブルームバーグ・ニュースへの文書で、生産機数の詳細について明らかにはせず、「運用上の安全を守るため、生産コスト、数量、納入時期は機密扱いとしている」と説明。「技術面で相手の意表を突く能力を維持するため、今後の生産時期や契約スケジュールも機密扱いとしている」とした。
海軍によると、F/A-XXは、F35Cとともに空母航空団に配備され、30年代からF/A-18E/FスーパーホーネットとEA-18Gグラウラーを補強し始める。部隊の移行に伴って最終的にこれらの機種と入れ替わるという。
一方、ボーイングの受注により、人員確保の問題が浮上すると米議会調査局(CRS)の元航空アナリスト、JJ・ガートラー氏は指摘する。計画の遂行は、経験豊富なエンジニアや生産作業員、技術者の確保にかかっている一方、同社の航空機事業の主要拠点があるセントルイス周辺には、人材の余力がない恐れがあるという。
原題:Boeing Beats Northrop for Navy Jet Contract to Replace F-18 (2)(抜粋)
--取材協力:Iain Marlow、Ryan Beene.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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