(ブルームバーグ):債券ETFに連動するオプション取引が過去最高のペースで膨らんでいる。米10年債と30年債の利回りが約20年ぶりの高水準にある中、投資家がポートフォリオの調整を急いでいることが背景にある。
ブラックロックの「iシェアーズ米国債20年超ETF」(ティッカー:TLT)のオプション取引が急増し、20日平均の出来高は過去最高に達した。建玉は過去1年で2倍超に増え、先週の月次満期前に記録した過去最高の1355万枚に迫っている。
債券利回りの上昇に伴って値動きも大きくなり、急激な変動に備えるオプションのコストも上昇した。同ETFのインプライド・ボラティリティー(IV、予想変動率)と、下落を見込んだプットオプションのプレミアムは3月下旬以来の高水準に急騰。投資家は利回り上昇への備えや、上昇を見込んだ取引のために、より高いコストを払っている。
ブラックロックでiシェアーズ債券ETFのグローバル共同責任者を務めるスティーブ・ライプリー氏は、「米国債、投資適格債、ハイイールド債のETFでは現在、過去最高水準の出来高がみられる」と述べた。
「こうしたETFを対象とするオプションの人気はますます高まっている。原資産である債券市場では効率的な再現が難しいエクスポージャーにアクセスできるためだ」と説明した。

出来高の急増は、機関投資家に加え一部の個人投資家も、債券相場の下落に対応する手段としてETFオプションを採用している状況を示す。従来はスワップやCMEグループなどの取引所で売買される先物を活用してきた。
過去1週間のオプション取引の急拡大は、ブラックロックの「iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF」(LQD)や「iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF」(HYG)にも広がっている。

米個人投資家への営業展開を強めている富途控股傘下のオンライン証券会社moomoo(ムームー)証券では先週、TLTがさらに下落すれば利益が出るオプションを顧客が買い入れた。ムームーUSのニール・マクドナルド最高経営責任者(CEO)は電子メールで、顧客は「債券利回りがさらに上昇するとの見方を示していた」と説明した。
また、ETFは株式の形式で取引されるため、株式のみに投資する運用方針のファンドマネジャーにとっては、ETFを通じて金利リスクをヘッジできる。ETFの価格は、保有銘柄の市場価値に応じて変動するためだ。
野村ホールディングスでフロー株式デリバティブ営業責任者を務めるアレックス・コソグリャドフ氏は、「従来は株式を中心に取引してきた投資家が、金利市場の動きにも明らかに注目を広げている」と指摘した。
「これまでボラティリティー取引では株式市場にほぼ限っていた投資家が、こうした金利関連商品にもますます目を向けるようになっている」と述べた。
原題:Options Trading on Rates ETF Surges to Record as Yields Soar(抜粋)
--取材協力:Sunil Kesur.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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