(ブルームバーグ):スイスで行われた国民投票で、中立政策をより厳格な形で憲法に明記する案が否決された。これにより、政府は中立政策を柔軟に解釈する余地を維持し、ロシアに対する制裁を継続できることになる。
27日の最終的な政府集計によると、賛成は30%を下回り、70%超が反対票を投じた。世論調査で示されていたよりも大差での否決となった。

カシス外相は、スイス政府が中立政策を柔軟に解釈する従来の方針を維持すると述べた。
カシス氏は首都ベルンで記者団に「この結果は中立政策に反対するものではない。昨日も中立だったスイスは今日も、将来も中立であり続ける」と述べた。
今回の提案は、スイスの中立を「永世かつ武力を伴うもの」と定め、軍事同盟への加盟を禁じるとともに、国連が承認していない制裁を科すことを認めない内容だった。
同提案は、ロシアによる2022年のウクライナ侵攻を受け、スイスが欧州連合(EU)の対ロ制裁に足並みをそろえる決定を下したことに対応したものだ。支持者は、対ロ制裁がスイスの中立に反すると主張。ロシア政府も同様の見方を示し、スイスの有権者に提案への賛成を呼び掛けていた。
カシス氏は27日、スイスが制裁を巡り足並みをそろえたのは、ウクライナの行く末がスイスのような小国の利益に直接関わるためだと説明。「われわれにとって、ルールが尊重される世界が頼みだ」と話した。
政府と議会に加え、右派の国民党(SVP)を除く全ての主要政党が反対した。SVPの元党首で富豪のクリストフ・ブロッハー氏は、賛成運動に約390万スイス・フラン(約7億4000万円)を投じた。
今回の投票は、今なお幅広い支持を得ている中立政策そのものの是非を問うものではない。カシス氏が説明したように、厳格な憲法上の規定で政府を縛るのではなく、中立政策を現実に即して運用する政府の裁量を維持する結果となった。
SVPが支持した提案が国民投票で否決されたのは今年2回目。6月には、スイスの人口を1000万人までに制限する案が否決された。同国の直接民主制の下では、国民投票が年に最大4回実施されることがある。
27日に行われた別の国民投票では、国内での食料生産を増やす案も否決された。国内の食肉生産を間接的に減らすことになる同案への賛成は28%未満にとどまった。
原題:Swiss Reject Stricter Neutrality, Preserving Government Leeway(抜粋)
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