(ブルームバーグ):米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は27日、壊滅的な事態を招きかねないAIのリスクに対する政府の安全対策を導入しても、中国との競争で米国の足かせにはならないとの考えを示した。政府として基本的に介入しないトランプ大統領の姿勢とは対照的だ。
ゲイツ氏はNBCの番組「ミート・ザ・プレス」とのインタビューで、「当然ながら、全ての国が安全対策の導入を望むだろう」と述べた上で、「このため『中国はこうした安全対策を導入しないだろう』と言う人がいれば、私は全く同意しない」と語った。
急速に進歩するAI技術を巡っては、人類を危険にさらすとの警告も一部から発せられるなど、安全性に関する議論が活発化。ゲイツ氏も議論に加わっているテクノロジー業界の有力者の1人だ。ゲイツ氏は先週公開されたインタビューの抜粋でNBCに対し、AIは「10億人を死に至らせる」ほど強力なツールだと述べた。
共和党が11月の中間選挙で議会の支配権維持を目指す中、支持率低迷に直面するトランプ氏は、人類の存続を脅かすAIリスクへの警告について、米国のイノベーションを脅かし、中国を利する「でっち上げ」だとして退けている。

ゲイツ氏はトランプ氏の発言についての質問に対し、「でっち上げでは全くない」と答えた。
ゲイツ氏は、中国も攻撃の標的になることを望んでいないため、AIの安全性確保に向けた取り組みに加わると予想していると話した。
また、トランプ氏については、「私やほかの人々の話を聞いた後」には、姿勢を変えるかもしれないと指摘。それには、トランプ氏が国家間の競争をどう捉えているにせよ、安全対策は米国の足かせにはならないという点も含まれると論じた。
ゲイツ氏は8月のエッセーで、悪意ある者がますます強力になるAIツールを利用し、病院や金融機関、電力網、政府システムに対しサイバー攻撃や詐欺、偽情報の拡散など、大規模な被害をもたらす行為に及ぶ可能性があると指摘していた。
強力なAIモデルが危険な挙動を始めた場合に、人間が停止または制限できる能力を確保するという「キルスイッチ」の考え方について、それだけでは「十分ではない」とゲイツ氏はNBCに述べ、より早い段階での監督に代わるものにはならないとの考えを示した。
ゲイツ氏は「高度なモデルについては、その利用状況を監視し、具体的に何が行われているのかを正確に記録する必要がある」とコメント。「米国はこれが確実に実施されるようにすべきだ。中国もそうすることを望むだろう」と語った。
原題:Bill Gates Says Trump Is Wrong to Hold Out Against AI Safeguards(抜粋)
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