(ブルームバーグ):米国は、枯渇している自国の兵器在庫を再構築するため、主要兵器の納入が最大5年遅れる恐れがあると同盟国に警告している。
複数の欧州諸国では、米軍がイラン戦争で兵器在庫を大量に消耗した影響で、主要ミサイルや防空装備の納入が遅れる見通しだと、当局者らが明らかにした。
ドイツは、長距離巡航ミサイル「トマホーク」と地上発射装置「タイフォン」の納入を早めるよう米国に求めている。ただ、米国ではトマホークの在庫が減少しており、製造元であるRTX傘下のレイセオンが今後5年以内に注文を履行する可能性は低い。
別の当局者2人によると、米国製兵器システムに依存する東欧諸国の一部でも、米国とイスラエルが2月28日に対イラン戦争を開始した直後から納入の遅れが生じている。
米国防総省は現時点でコメントの要請に応じていない。
国防総省が自国向けの在庫確保を優先しているため、厳しい冬を控えるウクライナが米国に求めている防空ミサイル「パトリオット」の追加供与にも影響が出ている。ウクライナが切実に必要とする防空支援は、22日からニューヨークで開かれる国連関連会合の主要議題となる見通しだ。
トランプ米大統領は先頃、「はるかに性能を落とした」パトリオットをウクライナに送る案か、欧州諸国に同システムの生産ライセンスを供与する案について協議していると記者団に対し明らかにした。
米国はイラン戦争で、最新型パトリオット迎撃弾の半数超、トマホークの約3分の1、精密打撃ミサイルと高高度防衛ミサイル(THAAD)のほぼ半数を使用したと推計されている。米議会予算局(CBO)は、米国が2025年6月以降、ミサイル防衛迎撃弾の在庫の最大3分の2を使用した可能性があると指摘した。
兵器在庫の不足は、米国や欧州だけに影響しているわけではない。米国は4月、日本に対しトマホークの納入が最大2年遅れると伝えた。サウジアラビアも、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃に対抗するため、米国を含む同盟国に軍事支援を要請しているが、米政府は追加支援を行うかどうか明らかにしていない。
原題:US Warns Allies of Missile Delivery Delays Due to Shortage (1)(抜粋)
--取材協力:Courtney McBride、Alberto Nardelli.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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