(ブルームバーグ):18日の外国為替市場で、円は対ドルで下げ幅を縮小した。日本経済新聞は日本銀行が市場参加者に為替水準を照会するレートチェックを実施したと報じた。レートチェックは、通貨当局による為替介入の前触れと受け止められることが多い。
円はニューヨーク外国為替市場で1ドル=156円60銭まで下げ幅を縮小する場面があった。欧州時間には前日終値比1.3%安の158円05銭まで売られていたが、その後持ち直し、同0.6%安の156円88銭で取引を終えた。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の為替ストラテジスト、アレックス・コーエン氏は「日銀が利上げをしたにもかかわらず、円は急落した。きょうのレートチェックは市場に対するさらなる警告だ」と指摘。
同氏は日本の財務省について、「大規模な外貨準備を投じて介入に踏み切る意思があることを、これまで示してきた」とし、「市場は今回も介入への警戒を強めるべきだ」と述べた。
同省に通常の業務時間外に取材したが、コメントは得られなかった。

日銀は18日に開いた金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を1.25%程度に引き上げることを決めた。政策委員9人のうち、利上げに慎重なハト派とみられている浅田統一郎氏と佐藤綾野氏が反対に回った。
植田総裁は午後の会見で、「これまでは2%を下回っていた基調的な物価上昇率を引き上げることが短期的な政策の狙いだった」と説明し、現在は2%に接近しつつあり、物価が上振れないよう「2%程度で安定させていく観点が重要になっている」と言及。金融政策運営の「局面が変化した」と語った。
一連の発言を受け、円は一時下げ幅を縮小する場面もあったが、その後再び円売りが優勢となった。
植田総裁は、今回の利上げ局面でのターミナルレートを特定するのは難しいとも述べた。発言は一段とタカ派な見方を織り込んでいた市場の期待に届かなかったとの指摘がある。
バンク・オブ・ナッソー1982のチーフエコノミスト、ウィン・シン氏は「これでは小さ過ぎるし、遅過ぎる」と話す。「日銀には思い切った行動に出る機会がまたあったが、7月と同じように逃した。円を本当に押し上げたいのであれば、予想を上回る幅で利上げをした上で、大規模な介入をすべきだった」と述べた。
日本の通貨当局は7月に米国とも協調して過去最大規模の円買い介入を行い、円は一時押し上げられた。ただ、終わりが見えないイラン情勢や財政拡大への懸念などで円の下落圧力も強く、8月下旬から再び160円台で推移。
その後ベッセント米財務長官の発言を機に日銀の積極的な利上げ観測が浮上し、一時152円台後半と2月以来の高値を付けたが、足元では円売りの勢いが増している。
日本は23日まで連休に入っており、市場の流動性が低下する中、当局が為替介入に踏み切れば、その影響が増幅される可能性がある。
日本の財務省によれば、7月30日から8月26日までの日本当局による介入額は15兆3993億円と、月次ベースで過去最大を更新した。ベッセント長官はその後も、円高を支持する姿勢を示し続けている。
それでも、円を圧迫するファンダメンタルズ面の要因は残っている。日本と他の主要国との大幅な金利差に加え、高市早苗首相が掲げる積極財政に伴う財政見通し懸念も、円の重しとなっている。
ブルームバーグのマクロストラテジスト、ブレンダン・フェイガン氏は「当局の介入姿勢は、特に1ドル=160円に近づく局面で円安を追求することを市場関係者にためらわせるだろう」と指摘した。
その上で「日本当局は金融政策自体で、より説得力をもって円安問題に対処できた可能性があった。しかし、円安を抑えるために再び口先でのけん制や実際の市場対応に頼ろうとしている」と述べた。
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--取材協力:深瀬敦子、George Lei、西沢加奈、松井玲、間一生.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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