AIの先駆者、アンドリュー・ン氏は、大手AIモデル開発企業の研究者らが警告するAIによる人類存亡のリスクについて「SF」だとし、こうした警告はAIが社会にもたらす恩恵を最大限に引き出す上で妨げになりかねないとの見方を示した。

グーグル・ブレインやコーセラの立ち上げに携わったン氏は、AIブームの初期にも、テック業界がAIによる壊滅的な被害への懸念をあおっていたと指摘。注目を集め、規制の形成に影響を与える狙いがあったように見えると話した。

ン氏は17日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「この2週間の動きにはかなり失望した」とし、「おそらく以前と同じような目的で、こうしたPRの波が再び起きている」と語った。

今月、アンソロピックとOpenAIの元研究者ジェイコブ・コクソン氏が注目を集める形で退職したことをきっかけに、くすぶり続いていたAIの安全性を巡る議論が広く世間の注目を集めるようになった。コクソン氏は、「超知能AIの実現に向けた競争」により「われわれの命を賭けにさらしている」と、両社を批判。AIの開発者らは、AIが「2020年代末までにわれわれ全員を滅ぼす」恐れがあると考えているとコメントした。

 アンドリュー・ン氏は「ブルームバーグ・テック」でエド・ラドロー氏のインタビューに答えた

今週初めには、グーグル・ディープマインドを退職したばかりのAI研究者も、AIによる甚大な被害を防ぐために人類に残された時間は少なくなっていると警告した。

こうした中、アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)やOpenAIのサム・アルトマンCEOらAI業界の幹部は、最先端モデルの開発ペースを調整し、今後の開発の安全性を確保するための追加措置を講じるよう業界に呼び掛けている。

キャリアの初期にアモデイ、アルトマン両氏と仕事をした経験があるン氏は、サイバーセキュリティー能力など、AIには確かにリスクがあると指摘。一方、人類滅亡を巡る懸念については「科学というより、はるかにSFに近い」と評した。

ン氏はまた、AIが「数多くの恩恵」をもたらすように取り組みながら、技術の改善と安全性向上を続けるため、業界が注力できる「現実的なエンジニアリング上の課題」があるとも述べた。

原題:AI Pioneer Andrew Ng Calls Extinction Fears ‘Science Fiction’(抜粋)

--取材協力:Edward Ludlow.

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