米投資会社ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は17日のニューヨークでのイベントで、次の米景気下降が債務危機の引き金となり、米長期金利を急上昇させる恐れがあると警告した。景気悪化の際、債券が常にセーフヘイブン(安全な逃避先)の役割を果たすという数十年来の通説を覆す見解だ。

そうしたシナリオが現実化すれば、米連邦準備制度は、短期国債を売却する一方、中長期国債を同額購入し、保有国債の年限長期化を図る「オペレーションツイスト」といった非伝統的政策の再実施を迫られ、米政府が債務再編を余儀なくされることすらあり得る。

「リセッション(景気後退)が起きれば、財政状況に非常に大きな注目が集まることになるだろう。財政赤字は国内総生産(GDP)比12%に容易に達すると予想される。年間3兆ドル(約468兆円)の利払いが発生することになり、到底対応できない」とガンドラックCEOは語った。

ガンドラック氏の見解は極端ではあるが、景気下降時に株式ポートフォリオの損失を和らげる役割を伝統的に期待されてきた債券への分散投資効果に対し、投資家の不安が高まる現状を反映するものだ。

一連のショックのインフレ促進効果が債券市場を直撃し、最近数年は株価と同時に下げる場面も見られた。次のリセッションもインフレを伴うものになれば、米連邦準備制度が政策金利を引き下げ、景気を刺激する余地は限られるだろう。

ガンドラック氏によれば、ダブルラインのファンドはさらなる金利上昇に備え、デュレーション(投資の平均回収期間)の短い資産への投資に力を入れている。

長期的な金利の方向性が上向くレジームチェンジ(基本構造の激変)の証拠として、同氏は金や銅の価格と米国債利回りとの関係など、注目されてきた市場の相関が20年以降、崩れたことに言及した。一方、米ドルと米株との間には、逆相関関係はもはや存在しないという。

「通常のセオリーが逆転した世界になっており、次のリセッションは債務危機を招き、そのため長期金利は上昇するだろう」と同氏は予想した。

原題:DoubleLine’s Gundlach Warns of Fiscal Crisis in Next Recession(抜粋)

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