米シタデル・セキュリティーズの株式・デリバティブ戦略責任者スコット・ルブナー氏は、米国株が10-12月(第4四半期)を迎えるに際し、「今後の展開に関して一段と前向きな見方」を強めている。

目先は荒い値動きが予想されるものの、9月末にかけて相場が一段と軟化すれば、市場の中核分野への投資を再び積み増す好機として活用するべきだと、ルブナー氏は指摘した。

AIを巡るセンチメントは急速に悪化し、ポジションも縮小しているが、こうした流れは10月から逆方向に転じ始めると予想。まずはテクノロジー株、その後は市場全体に広がるとの見方を示した。

「だからといって、9月の相場の弱さが終わったと考えているわけではない」と同氏は顧客向けリポートで説明。「月末にかけて需給環境は引き続き好ましくなく、テクニカル面でもまだ株式相場への向かい風となっている。今後2週間は株価がさらに下落する可能性があるとの見方を維持している。ただ、状況は変わり始めている」と記した。

S&P500種株価指数は今月に入って1.8%下落。8月半ばに付けた高値を3.2%下回っており、指数を構成する11業種中9業種が9月に下落している。

ルブナー氏は、年内の相場を見通す上で重要なのは、今回の下落が「無秩序なものではなく、セクター間のローテーションにとどまっている」ことだと述べた。

ルブナー氏が年内の相場について強気な見通しを示す一方、S&P500種が年末にどの水準に達するかを巡っては、アナリストの間で見方が一段と割れている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のサビタ・スブラマニアン氏のように予想を引き上げる動きがある一方、ウォール街でも特に強気派として知られるエド・ヤルデニ氏など、予想を引き下げる向きもある。

3週間足らず前、ルブナー氏は米国株に警戒を促す市場関係者の1人だった。株式相場にとって歴史的に年間で最もパフォーマンスが悪い9月を控えていた当時、同氏は株式の長期的な見通しについて前向きな見方を維持する一方、短期的には戦術的な調整局面を予想していた。

足元の市場動向は、そうした想定が現実になりつつあることを示している。特に、中間選挙の年は歴史的に9月の株式リターンが圧迫される傾向がある。

1930年までさかのぼる同社分析によると、S&P500種は9月の最終2週間に平均約1.1%下落する。ただ10月には回復に転じ、上昇の勢いは投票日に向けて加速し、選挙後も続く。中間選挙の年は9月30日の安値から年末までに平均5.6%上昇している。

ハイテクセクターについてルブナー氏は、AIの高度化を巡る懸念の高まりを主因とする最近のAI関連株の売りで、同セクターにあった「過熱感」の多くが解消されたと指摘した。ハイテク株比率の高いナスダック100指数は直近7営業日のうち5日下落し、6月初旬の高値から約6%下げている。

「3カ月前のリスクは、誰もが同じ取引に傾いていたことだった」と同氏。「今では、AIを巡る見方が一斉に悲観方向へ傾いていることが、むしろリスクになりつつある」と続けた。

構成銘柄の約半分をテクノロジー株と通信サービス株が占めるS&P500種にとって、これは今後の上昇余地を示唆し得る。特にハイテク株で、ポジションの偏りやレバレッジが解消されているためだ。

「決算発表シーズンにかけてAI相場をけん引する銘柄の裾野が再び広がれば、上昇は第1波を主導した銘柄以外にも大きく波及する可能性がある」とルブナー氏は記した。

原題:Citadel Securities’ Rubner Says Stocks Poised to Turn a Corner(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.