(ブルームバーグ):低迷する暗号資産(仮想通貨)市場では、米議会による政策支援に期待が集まり、暗号資産関連の「クラリティー法」の成立が次の好材料になるとみられていた。だが、法案を巡る進展はみられず、市場は今や複数の逆風に直面している。
上院で15日、法案の審議を前進させるための動議が否決されたことを受け、最大の暗号資産ビットコインは下落し、コインベース・グローバルやサークル・インターネット・グループなど関連株も売られた。個人投資家の関心低下に加え、高金利と流動性縮小が市場を圧迫するなか、期待されていた政策面の追い風が遠のいた。
16日には米連邦準備制度理事会(FRB)が3年ぶりに利上げし、業界にさらなる打撃となった。利上げは、ビットコインなど利回りを生まない暗号資産にとって、これまで不利に働いてきた。
ビットコインは前日終値を挟んでもみ合った後、金融政策決定を受けて一時1.2%安の7万4985ドルに下落した。関連株の下げはさらに大きく、コインベースとサークルの過去2日間の下落率はそれぞれ一時約16%、20%に達した。
短期金利の上昇は、少なくとも利上げ直後のビットコイン相場には不利に働くことが多い。ブルームバーグがまとめたデータによると、今回を除くFRBの直近10回の利上げで、1カ月後にビットコインが上昇していたのは2回にとどまった。
クラリティー法成立への期待が少なくとも当面は消えたことで、暗号資産市場では、次に何が相場を支えるのかとの疑問が浮上している。
取引会社LO:TECHの調査責任者アダム・マッカーシー氏は「価格は年末にかけてかなり狭いレンジで推移し、一段安となる可能性もある」と指摘。「利上げへの転換も重なり、二重苦だ」と述べた。
もっとも、クラリティー法が成立する可能性はもともと低く、法案の頓挫だけで暗号資産市場の長期的な低迷を説明できるわけではない。弱気相場を悪化させていた材料はすでに複数あった。ビットコイン上場投資信託(ETF)は米国の機関投資家や個人投資家が暗号資産に投資する主要な手段だが、市場低迷を受け、保有者は今年の大半で含み損を抱えている。
ビットゲット・ウォレットのリサーチアナリスト、レイシー・チャン氏は「クラリティー法案を巡る動議の否決は、暗号資産市場にとって重要な材料だったが、下落の唯一の要因ではない」と指摘。「ビットコインは上院採決前からすでに売り圧力にさらされていた」と述べた。
原題:Bitcoin Faces ‘Double Whammy’ After Bill Rejection, Rate Hike(抜粋)
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