(ブルームバーグ):米中は来週の首脳会談を前に、米国産のエネルギーや農産物を含む品目の関税率を引き下げる方向で協議しており、両国の貿易休戦が延長される可能性が高まっている。
ベッセント米財務長官は15日、首都ワシントンで24日に予定されているトランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談を前に、中国の何立峰副首相と今週末会談すると明らかにした。
これに先立ちブルームバーグ・ニュースは、米中が一部品目の関税率引き下げについて協議していると報じていた。事情に詳しい複数の関係者によると、来週の一連の会談では、メーカーが使用する中国製の投入財に対する関税引き下げで合意する公算も大きい。
こうした措置は、約300億ドル(約4兆6620億円)相当の貿易を対象に相互に関税を引き下げる従来の計画に基づいて実施される見通しだ。非公開の協議を理由に匿名で語った関係者によれば、中国からの一部品目には最恵国待遇(MFN)税率が適用される。
イランとウクライナでの戦争や原油高、インフレ懸念再燃によって世界的に金利が上昇する中、1年間の貿易休戦が延長されれば、世界経済にとって潜在的な障害の一つが取り除かれることになる。ただ中国とイラン、ロシアとの関係に加え、AIなど最先端技術を巡る競争もあり、首脳会談への期待はなお抑制されている。
ベッセント氏は下院金融委員会の公聴会で、米国がイランへの経済的圧力を強める中、同国での戦争に関連する制裁について中国の何副首相と協議することを楽しみにしていると述べた。
トランプ氏と同様、ベッセント氏はAI分野で米国が中国に対する優位を維持することの重要性を一貫して強調している。この分野では、中国企業がシリコンバレーのライバルとの差を縮めている。
ベッセント氏は「これを善良な側が持つのか、悪い側が持つのかは重要だ」とし、「AIを巡る中国との関係を管理する立場にある者として、これは極めて重要だ」と語った。
AIを巡る競争は、両国間の主要な摩擦の要因として浮上している。
米国の国家安全保障関連3機関は8日、DeepSeek(ディープシーク)やAIモデル「Kimi K3」を開発した月之暗面(ムーンショットAI)など中国の主要AI企業が、米企業の専有知識を組織的に抽出していると非難した。中国企業は米国側の主張へのコメントを控えているが、中国政府はこれに強く反発している。
一方で中国側は、アンソロピックとOpenAIが高度なモデルの開発ペースを落とすよう求めたことについて「恐怖をあおるものだ」と批判。米企業がトランプ政権に圧力をかけ、中国による先端半導体やその他のハードウエアへのアクセスをさらに制限させる可能性を中国側が懸念していることを示している。
ベッセント氏と何氏が予定している高官協議は、首脳会談の準備が予定通り進んでいることを示す兆候だ。トランプ氏は、習氏が24日にホワイトハウスを訪問すると述べており、国賓夕食会も予定されている。中国側は通常、直前になって日程を発表しており、習氏の訪米日程をまだ確認していない。
ベッセント氏は何氏との会談の日程や場所を明らかにしなかった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、両氏が20日にニューヨークで会談すると報じた。両氏はこれまでも米中首脳会談に先立って会談し、協議の地ならしをするのが通例となっている。
CEO代表団
事情に詳しい関係者2人の話では、習氏の訪米には中国国有の食品商社、中糧集団(COFCO)の代表が同行する可能性がある。協議で農業が中心的な役割を果たす可能性を示す動きと言える。最高経営責任者(CEO)代表団への参加候補として十数社も検討されているが、最終決定には至っていないという。
トランプ氏の5月の中国公式訪問には、エヌビディアのジェンスン・フアン氏やテスラのイーロン・マスク氏を含む十数人のCEOが同行した。経営者らは李強首相と会談し、習氏は米企業について、「中国の改革・開放に深く関与しており、その過程で双方が恩恵を受けてきた」と語った。
原題:US-China Discuss Cutting Some Tariffs as Leaders Prepare to Meet(抜粋)
--取材協力:Alfred Cang、Jenny Leonard、Alicia Diaz.
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