(ブルームバーグ):韓国のヘッジファンドがサムスン電子に対し、優先株の買い戻しと消却を求めている。バリュエーションの引き上げを狙い、株主がこうした措置を直接求める動きはあまり前例がない。
ライフ・アセット・マネジメントは今週、サムスンの取締役会と経営陣に書簡を送り、普通株との価格差が解消するまで優先株を買い戻し、消却するよう求めた。同ファンドの発表資料で明らかになった。サムスン株の保有比率は明らかにしていない。10月の取締役会で計画を検討し、12月までに優先株を消却するよう要請した。
今回の要求は、サムスンに対する株主圧力がさらに強まる可能性を示している。同社は最近、AIブームの恩恵を株主と共有するため、今年最大110兆ウォン(約12兆6000億円)を投資家に還元する方針を示した。
サムスンは詳細を全て明らかにしていないが、市場関係者は、優先株が普通株に対して大幅に割安な水準で取引されている点を踏まえ、優先株の買い戻しを重視すべきだと指摘している。
15日のサムスン優先株は一時3.3%高と、約1週間ぶりの大幅高となった。普通株は1%上昇した。
ライフ・アセットは、特別配当と通常配当を差し引いた株主還元策のうち、最大73兆ウォンを自社株買いに充てるべきだと主張した。
サムスン優先株は現在、普通株に対して25%を超えるディスカウントで取引されている。優先株を買い戻す方が資金効率が高いため、自社株買いの相当部分は優先株が対象になると、市場関係者はみている。
ライフ・アセットによると、サムスンは現在、普通株1株を消却するのに必要な資金で、優先株1.36株を消却できる。ウェブサイトによると、同ファンドは40億ドル(約6200億円)の資産を運用している。
韓国では、金融関連会社による議決権付き普通株の保有比率を10%以下に制限している。普通株ではなく優先株を自社株買いの対象とすれば、金融関連会社の普通株保有比率は変わらず、金融関連会社が保有株の売却を迫られる可能性も避けやすい。
原題:Samsung Faces Local Hedge Fund’s Push to Cancel Preferred Shares(抜粋)
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