(ブルームバーグ):米10年国債利回りが約20年ぶりの高水準に上昇した。エネルギー価格の急騰や債務の増大、インフレを背景に世界的な債券売りが一段と激しさを増している。
米10年国債利回りは15日に一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して5.02%となり、2023年につけたピークを上回って2007年以来の高水準に達した。中東からの原油供給を巡る懸念が強まり、原油価格が上昇したことを受け、米国債利回りは一段と上昇した。
債券市場への圧力が強まる中、16日の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利決定への注目度も高まっている。市場では、2023年7月以来となる利上げが予想されている。利上げを見送るか、ウォーシュ議長が今後数カ月の金融引き締めについて短期金融市場が織り込むほど積極的ではない姿勢を示した場合、債券投資家はインフレリスクへの備えとして、さらに高い利回りを求める可能性がある。
BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ヴェイル・ハートマン氏は「FRBがインフレ抑制への信認を損なうことなく、今週金利を据え置くのは非常に難しいだろう」と指摘。「市場は予想外の据え置きだけでなく、政策金利見通しや記者会見で利上げを急がない姿勢が示されるハト派的な利上げにも脆弱(ぜいじゃく)だ」と述べた。
米国が2月下旬にイランへの攻撃を開始し、中東産の石油・ガス供給に混乱が生じて以降、世界的に国債利回りが上昇している。これに加え、AI関連投資の資金を賄うための企業による巨額の借り入れも影響している。こうした借り入れは市場への債券供給を膨らませると同時に、すでに底堅い米経済に一段の刺激を与えている。
各国政府による債券発行額も、満期債の借り換えや赤字財政を賄うため増え続けている。一方、中央銀行は量的緩和(QE)の一環として国債を大量に買い入れることをすでにやめており、従来の買い手による需要も鈍化している。このため、価格に敏感な投資家への依存度が高まっている。
UBSグループの米金利戦略責任者、フィービー・ホワイト氏は電子メールで「実体経済に弱さの兆候が見られず、米国債市場の需給環境も2007年当時とは大きく異なることを踏まえると、長期ゾーンの利回りが低下する余地はある程度限られている」とし、「米国債に対する構造的な需要は、特に海外の公的投資家の間で大幅に弱まっている」と話した。
原題:US 10-Year Treasury Yields Rise to Highest Level Since 2007(抜粋)
(第3段落以降に背景情報やアナリストコメントなどを追加して更新します)
--取材協力:Matthew Burgess.
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