米ディーゼル価格が上昇し、史上初めて1ガロン=6ドルを突破した。需要期のピークを前に、エネルギー高によるインフレが一段と加速するリスクが高まっている。

米自動車協会(AAA)によると、全米平均価格は1ガロン=6.0556ドル。カリフォルニア州では同8ドル近くに達した。

世界経済を支える燃料であるディーゼルは、発電や家庭用暖房、農業機械、大型トラックまで幅広く使われている。日常の買い物でディーゼル価格の影響を直接受ける米国人は少ないものの、食品価格や輸送費、建設費を左右する重要な要因であり、最高値の影響は消費者にも波及する。秋に向けて暖房や農業向けの消費が増えるため、需要も拡大する。

地政学的な混乱により、世界で十分な量のディーゼルを生産・輸送する能力は大幅に低下している。ロシアでは、ウクライナによる製油所への数カ月にわたるドローン攻撃を受け、ディーゼル輸出が禁止された。中東でも、ホルムズ海峡を経由する海上輸送が不安定になっているほか、精製能力が失われたことで生産・流通の双方が制約され、燃料の輸送量は依然として戦争前の水準を大きく下回っている。

重要な航路であるホルムズ海峡とバベルマンデブ海峡周辺では今週、戦闘も激化している。米国とイランは長期戦に備える姿勢を強めているもようで、エネルギー価格が高止まりする可能性がある。

中間選挙まで50日余りとなる中、価格急騰は与党・共和党にとって特に厄介な問題だ。全米で暖房に灯油を使用する世帯の割合が最も高いメーン州や、オハイオ、カンザス、アイオワなどの農業州では、選挙を左右する重要な要因になり得る。

ただ、国内価格を引き下げるためにホワイトハウスが取り得る政策手段は、戦略石油備蓄(SPR)の追加放出や輸出禁止を除けばほとんど残っていない。バーガム内務長官は、ディーゼルの輸出規制について問われ、あらゆる案が検討対象だと述べる一方、こうした措置は過去に価格上昇を招いたと指摘した。

原題:US Diesel Prices Rise Past $6 a Gallon for First Time Ever(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.