ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は1トン=1万5000ドルに迫り、過去最長となる11週連続の上昇に向かっている。数十万トンの銅が米国に移送され、他地域で供給がひっ迫したことが上昇の大きな要因だ。ドル安やデータセンター向け需要への期待も相場を支えている。

アナリストらは、上昇を支えてきた要因の一部が不安定だとして、現在の高値を維持するのは難しい可能性があるとみている。非鉄金属は、米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派姿勢を強めるリスクにもさらされている。市場は11日に発表される米インフレ統計を待っており、強い内容なら利上げ観測が高まる可能性がある。

ナティクシスのアナリスト、ベルナール・ダダ氏は、リポートで「バブルのリスクを指摘したい。現在の価格を動かしているのは、ファンダメンタルズや最終需要家の需要ではなく、米国への輸入による裁定取引の機会や短期投機資金だ」と警告した。

銅相場には以前から強気な予想が多い。金属市場の関係者は、新規鉱山への投資を促し、AIなどの分野からの需要を満たすには、価格上昇が不可欠だと指摘してきた。今年の上昇は、貿易を巡る懸念も拍車をかけている。トランプ米政権が精製銅に輸入関税を課すとの観測から、米国の銅価格はLMEを上回っており、トレーダーは銅をLMEの倉庫網から、米国内の倉庫へ移している。

ナティクシスのダダ氏は、多くのリスクがあるとみている。同氏はリポートで「新たな関税を課さないとの決定になれば、裁定取引の機会はなくなる。米国から銅が流出すれば、LME価格に大きな下押し圧力がかかる可能性がある」と指摘した。

一方、リポートが想定するように、2027年に15%、2028年に30%の関税が導入された場合でも「裁定取引の機会はなくなり、米国内にある銅が消費されるにつれて、米国の輸入は急減する」とした。

銅相場は、8月の一時的な供給ひっ迫を経て、需給圧力が和らぎつつあるにもかかわらず、足元でも上昇している。LME指定倉庫の在庫は、今月は比較的安定している。

中国の先物取引会社、混沌天成期貨はリポートで「相場がさらに最高値を更新できるかどうかは、投資家のポジションの変化、LMEで受け渡し可能な在庫の増減、期近物と期先物のスプレッドの動向に左右される」としている。

LME銅はロンドン時間10日午前11時時点で、0.4%高の1トン=1万4767.50ドルで取引されている。

原題:Hot Copper Draws ‘Bubble’ Warning as Record Rally Nears $15,000(抜粋)

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