中東情勢の緊迫化を背景に、北海ブレント原油が再び1バレル=100ドルの大台に達した。世界的にはインフレ再燃への警戒を強める節目だが、エネルギーの大半を輸入に頼る日本にとって、今回の100ドルにはこれまでとは大きく異なる点がある。急速に進んだ円高だ。

中東からの供給不安を背景に足元ではブレント原油が100ドルに達した一方で、円は9日、対ドルで一時152円台まで上昇していた。円は9月に入り対ドルで約4%上昇しており、原油高と円高が同時に進行する珍しい局面となっている。

原油は国際市場でドル建てで取引されるため、日本国内の企業や消費者が最終的に負担する価格は、原油そのものの値動きだけでなく為替の動向にも左右される。足元では原油価格の上昇と同時に円が対ドルで大きく上昇しており、ドル建て価格の上昇の一部を相殺している。

日本は原油をほぼ全量輸入しており、原油高はガソリンや灯油だけでなく、電力や都市ガスの料金、物流のコストなど幅広い価格に波及する。財務省が毎月の貿易統計で示す平均原油輸入価格は、日本が長期契約で調達する液化天然ガス(LNG)の多くで価格決定の指標として使われているため、原油価格の上昇はLNG価格を通じて電力・ガス料金にも影響する。

円高が続けば、コスト増への圧力を一定程度和らげることになる。ブレント原油が1バレル=100ドルの場合、1ドル=153円なら円建ての原油代は1バレル=1万5300円となる。為替相場が1ドル=160円の時と比較すると、同じ100ドルの原油でも1バレル当たり700円、1リットル当たりでは約4.4円安くなる計算だ。

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