(ブルームバーグ):ドルは9日、約7カ月ぶりの安値に迫っている。円が上昇する中、トレーダーは米財務省による国債買い戻しについての発表や、11日公表の米消費者物価指数(CPI)を待っている。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は9日、一時0.2%下落し、2月18日以来の安値に接近した。指数を構成する通貨で2番目に大きな比重を占める円の上昇が、指数を押し下げた。円は0.5%上昇し、月初来の上昇率は約4%に拡大した。
ドルには再び下押し圧力がかかっている。ベッセント米財務長官が8日、円売りに賭けるトレーダーをけん制し、為替介入について判断する際、「日本側や日本銀行がどう動くのか、日本の当局が何をするのかについて、私はかなり正確に把握している」と発言した。市場を自らの望む方向に動かそうとする異例の取り組みを続けるベッセント氏としても、これまで以上に強硬な発言だ。
米財務省は9日遅く、翌日に実施する残存期間10-20年の既発国債の買い戻し規模を発表する見通しだ。ベッセント氏は、拡大した国債買い戻しプログラムを通じ、どの程度の規模まで踏み込む用意があるのかも明らかにすることになる。
ジェフリーズ・インターナショナルの欧州担当チーフエコノミスト兼ストラテジスト、モヒト・クマール氏は、「市場に影響を与えるには、ベッセント氏は初回の買い戻しを40億ドル超とする必要がある。初回がそれを大幅に上回り、80億-100億ドル規模になっても驚きはない」と述べた。
ただ、JPモルガン・チェースの調査担当者によると、米財務省が今後の買い戻しの規模について、追加情報を示す可能性は低い。
トレーダーは11日発表される米CPIにも注目している。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定の見通しを左右する可能性があるためだ。短期金融市場は、0.25ポイントの利上げが実施される確率を約60%と織り込んでいる。
オプション市場の指標によると、トレーダーは全体として短期的にドルに弱気な姿勢を維持している。ただ、エネルギー価格の高止まりが、特にユーロとポンドに大きな逆風となっているため、ドルは両通貨に対して上昇する余地があるとみられている。米国とイランによる攻撃の応酬が続く中、北海ブレント原油は9日、1バレル=100ドルまで上昇している。
原題:Dollar Eyes Seven-Month Low With US Buybacks, Inflation In Focus(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.