(ブルームバーグ):米治安当局は8日、DeepSeek(ディープシーク)やAIモデル「Kimi」を開発した月之暗面(ムーンショットAI)など中国の主要AI企業が、米企業の専有知識を組織的に抽出していると非難し、シリコンバレーの開発者に独自の成果を守るよう警告した。
国家安全保障局(NSA)と連邦捜査局(FBI)、国土安全保障省サイバー・インフラ安全局(CISA)が8日発表した共同声明によると、これらの中国企業は少なくとも2024年以降、ディスティレーション(蒸留)と呼ばれる手法を用いて、米国のAIモデルから精度の高い回答や推論プロセスを抽出し、AIシステム学習用のデータセットを「産業規模」で収集してきた。
DeepSeekとムーンショットAIのほか、アリババグループと稀宇科技(ミニマックス)、StepFun、北京智譜華章科技(Z.AI)が、ディスティレーションに関与した企業として名指しされた。
米中両国は、競争の主戦場となりつつあるAI分野で優位を争っている。訪米する中国の習近平国家主席とトランプ大統領との首脳会談を今月下旬に控え、中国のAI企業を非難する声明を米側が出したことで、米中間の摩擦が激しさを増す恐れがある。
OpenAIとアンソロピックは、中国のライバル企業が米国のAIモデルに不正アクセスし、わずかなコストで独自のチャットボットを開発していると不満を強めてきた。ブルームバーグ・ニュースが先に伝えたところでは、アンソロピックは今年6月、アリババグループが数千の不正アカウント経由で「Claude (クロード)」にアクセスしたと訴えた。
米治安当局は、中国側が米企業の利用制限を意図的に回避し、システムにアクセスしていると主張。米国のAI開発者に対し、悪意のあるディスティレーションと疑われる場合には、レスポンスを変更したり、関連情報を共有したりするなど「直ちに行動を起こす」よう助言した。
在米中国大使館の報道官は電子メールで、米側の非難を退け、「AI産業における中国の発展と進歩への意図的な攻撃だ」と反論した。DeepSeekとムーンショットAI、アリババグループ、ミニマックス、StepFun、Z.AIの担当者にもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
原題:US Says Alibaba, DeepSeek ‘Systematically’ Tapped AI Models (1)(抜粋)
--取材協力:Maggie Eastland、Zheping Huang、Luz Ding.
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