(ブルームバーグ):米株式先物相場は下落。レーバーデーの祝日で、慎重な取引となる中、中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇し、インフレ懸念を悪化させた。金現物は小幅下落。
S&P500種株価指数先物は0.2%下落し、ナスダック100指数先物は上昇した。
米国債と米国株の現物取引は休場。 ロンドン金属取引所(LME)では、銅価格が過去最高値に上昇した。
トレーダーはイベント目白押しの1週間に備えている。その締めくくりとなるのが11日発表の米消費者物価指数(CPI)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を引き上げるか、金利を据え置くかを判断する上で極めて重要になる。
米CPIの発表に先立ち、欧州中央銀行(ECB)はエネルギー価格主導のインフレを食い止めるため、金利を引き上げると広く予想されている。一方、米国債入札では、利回りが数年来の高水準にある中で債券の需要が試されることになる。
個別企業のニュースでは、英自動車最大手ジャガー・ランドローバー(JLR)が、今後2年間で世界の従業員の約10%に相当する約4000人を削減する。スポーツ用多目的車(SUV)「レンジローバー」などを手掛ける同社は、米国の関税措置や、深刻な被害をもたらしたサイバー攻撃の余波、激しい競争への対応を迫られている。

外為
外国為替市場で円が対ドルで日米の協調介入後に付けた高値を上回り、2月以来の高水準となった。日本銀行の利上げ観測が強まる中、円を巡る市場のセンチメントが急速に好転している。
円は一時、前営業日比1.4%高の1ドル=154円06銭まで上昇した。先週は一時160円39銭まで下落していた。この日の動きに明確な要因は見当たらず、一部のトレーダーは、米レーバーデーの祝日で相場の振れが増幅されたと指摘する一方、他のトレーダーは155円という節目の水準を上抜いたことを理由に挙げた。
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの駱正彦シニア債券ストラテジストは、円が155円を抜けたことは重要だとして、過去の為替介入後には、この水準がドル・円相場の下値の目安となっていたと述べた。

取引に詳しいトレーダーによると、155円を下回る水準に設定されていた大口のストップロス注文が執行され、オプションディーラーがドル売りを迫られたことも円の上昇に拍車をかけた。このトレーダーは公に発言する権限がないとして匿名を条件に語った。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、ニューヨーク市場が休場の際には相場が大きく動く傾向があるため、下押し圧力には引き続き警戒が必要だと述べた。ドル・円の下値めどは2月につけた154円とみており、そこを割り込めば、152円台前半まで目立った下値めどはないと続けた。
円が先週、160円を超えて下落した後に反発したことは、日銀の利上げ観測が広がる中、18日の金融政策決定会合を前に市場の警戒感が高まっていることを浮き彫りにしている。
原油
原油先物相場は祝日で薄商いとなる中で上昇した。ホルムズ海峡の原油輸送を巡るリスクが引き続き価格を支えたほか、中国による原油購入再開が好感された。
北海ブレント原油は一時、1バレル=98ドルを上回る場面もみられた。イランがホルムズ海峡の新たな航路を巡るオマーンとの協議が最終段階に近づいていると明らかにした。同海峡では船舶への攻撃が相次ぎ、緊張状態が続いており、米国側の反応が注目される。イランはまた、オマーン沿岸近くを航行する船舶は攻撃対象となり得るとも警告した。
事情に詳しい関係者によると、サウジアラムコのジャザン石油施設が7日、新たな攻撃を受けた。この地域ではすでに、一連の攻撃により主要製油所が操業停止を余儀なくされている。
中東での紛争に起因する価格上昇リスクは、中国の買い再開によって増幅されている。中国による購入の回復を受け、西アフリカ産からカナダ産に至るまで、原油価格はここ数日上昇している。戦争の初期には、中国が原油購入を休止していたことが、価格を抑える主因の一つだった。
その結果、原油価格は今年3度目となる1バレル=100ドル目前の水準にあり、北海ブレントは年初来で約60%上昇している。6カ月に及ぶ紛争や、ロシアとウクライナの戦争による供給混乱を背景に、ディーゼル油などの石油製品はさらに大幅な値上がりを記録している。
エナジー・アスペクツの共同創業者で市場分析部門ディレクターのアムリタ・セン氏は「原油の在庫取り崩しはわずか数週間で、急激に加速している」とブルームバーグテレビジョンで指摘。「原油には大幅な上昇余地があると考えている」と述べた。
7日の取引は、レーバーデーの祝日のため比較的低調だった。シンガポールでアジア太平洋石油会議(APPEC)が開幕したことも、トレーダーの関心を市場から奪った。APPECではイラン戦争、世界的な在庫の逼迫、中国の需要見通しが主要な議題になると予想されている。
北海ブレント原油11月限は前営業日比0.8%高い1バレル=97.00ドル。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)10月限は、ニューヨーク時間時間午後3時11分現在、1.2%上昇の92.70ドル。
欧州
欧州債券市場では、ドイツ債が5営業日連続で下落した。原油価格が1バレル=100ドルに迫る中、投資家はインフレ圧力の高まりを警戒している。英国債も売られた。
ドイツ10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.39%となった。6日に東部ザクセン・アンハルト州で行われた議会選で極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が圧勝したことも、市場の重しとなった。選挙結果を受け、メルツ首相への圧力が強まるとみられている。
フランクリン・テンプルトンの欧州債券部門責任者、デービッド・ザーン氏は「今回の結果は、AfDが勝てることを示したとは思うが、それが全国レベルでの勝利につながるかというと、依然として可能性は低いとみている」と述べた。
英国債利回りは年限を問わず約4bp上昇した。
欧州株は小幅な値動きだった。原油高に加え、スイスの医薬品大手ノバルティスの下落が重しとなった。
株式市場では、ストックス欧州600指数がほぼ横ばいで取引を終えた。週末にかけて米国とイランによるタンカーへの攻撃が相次いだことを受けて商品価格が上昇し、エネルギー株が相対的に好調だった。一方、メディアや保険株は下落幅が大きかった。
ノバルティスは、主力になると期待されていた心臓病治療薬が、最終段階の臨床試験で目標を達成できなかったとの報道を受け、一時3.9%安と4月以来の大幅安となった。
半導体メーカーのソイテックは12%高だった。7日はAI関連銘柄が総じて堅調で、インフィニオン・テクノロジーズがMPキャピタル・マーケッツによる投資判断の引き上げを受け、6.9%上昇した。
9月7日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:US Stocks Slip as Oil Gains Keep Traders Cautious: Markets Wrap(抜粋)
原題:Oil Climbs Near $98 on Hormuz Risks and Rising Chinese Buying(抜粋)
原題:European Stocks Muted as Oil Prices Climb and Novartis Falls(抜粋)
(個別企業のニュースを加えます。更新前の記事で、連邦準備制度を連邦準備制度理事会に訂正済みです)
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