支払い不能に陥り、オーストラリアの不動産・プライベートクレジット市場を揺るがしている住宅開発会社バスラ・グループは、当面の事業継続を可能にするつなぎ融資を確保した。34億豪ドル(約3800億円)に上る債務の返済を進めるため、対応を急いでいる。

同社の管財人を務めるテネオは7日、5社の貸し手と緊急融資で合意したと発表した。金額や債権者の名称は明らかにしていない。事情に詳しい関係者によると、融資額は約400万豪ドル。これは先週、複数の民間の貸し手と協議していた金額だ。テネオは融資額についてコメントを控えた。

発表文によると、今回の資金は、参加する貸し手が関係するプロジェクトの建設継続を支えることになる。管財人スティーブン・ロングリー氏は今回の融資により、バスラは限定的な事業を2週間継続でき、その間にテネオがより広範な融資元のグループと、長期的な資金調達に取り組むと説明した。

発表文によれば、その他のプロジェクトの建設は7日に停止され、管財人がより包括的な救済策を模索する中、約213人の従業員が業務を停止する。つなぎ融資の最終的な契約書類は7日中に整う見通しだという。

豪州の不動産・プライベートクレジット市場を揺るがしているバスラ

バスラの危機で、豪規制当局が特に不動産分野のプライベート融資を巡って警告してきたリスクが浮き彫りとなっている。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が2月以降、3回にわたり利上げに踏み切る中、今回の問題は不動産市場全般への懸念も強めている。政府は2029年6月までの5年間で120万戸の住宅供給目標を掲げている。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、パトリック・ウォン、ヤン・チー・ジョン・ウォン両氏は、シドニーで相当規模の住宅開発案件を抱えるバスラの経営行き詰まりにより、政府の目標達成が一段と遠のく恐れがあると指摘。「年内に4度目の利上げが実施される可能性もある中、先行き不透明感が強まれば、住宅購入者は様子見姿勢を続ける可能性がある」とし、他の大手デベロッパーでも販売を押し下げかねないとの見方を示した。

バスラについては、無担保債権者による融資が1億3000万豪ドル、有担保の貸し手による融資が31億豪ドルに上る。4日に開かれたテネオとバスラ債権者との会合で、ブルームバーグ・ニュースが確認した資料で明らかになった。

ロングリー氏は7日の発表文で、「現在建設中の全プロジェクトを進め、最終的に完成させるために必要な資金を確保するには、なお相当な作業が残っている」と説明した。

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)のシモーヌ・コンスタント委員は4日に開かれた議会公聴会で、バスラの「極めて複雑な実態」を指摘した。

コンスタント氏は、同社に融資するプライベートクレジットの貸し手の中に個人投資家が含まれている可能性があり、規制当局は懸念していると述べた。

同氏によると、ASICはバスラに関連する債務について、資金がどこに流れたのか「徹底的に解明する」ため、同社や管財人と連携している。また、今回の問題を巡り、豪州の金融犯罪対策機関であるオーストラリア取引報告分析センター(AUSTRAC)とも協議している。

原題:Bathla Gets Stopgap Funds as $2.5 Billion Debt Crisis Looms (1)(抜粋)

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