(ブルームバーグ):米債券投資家は、国債相場が荒れた前週に続き、幅広い年限でさらなる波乱が起きる事態に身構えている。今週は短・長期債の双方で大幅な相場変動の引き金となり得る注目材料が控えている。
レーバーデーの祝日に伴う連休明けを迎える中、市場関係者の関心はベッセント財務長官と米連邦準備理事会(FRB)のウォーシュ議長の政策意図を探る手がかりとなる2つの主要日程に集中している。
米財務省は9日、翌日に実施する国債買い戻しの詳細を発表する予定だ。今回の買い戻しは、従来の上限額(20億ドル=3120億円)を「少なくとも倍増」させる拡大枠のもとで行われ、市場では3倍から5倍になる可能性もある。一方、11日には最新の消費者物価指数(CPI)が発表される。ウォーシュ議長らは同指標について、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの是非を判断する上で極めて重要になると示唆している。
祝日で取引日が少ない今週はこうした2つの主要日程で荒れる可能性がある。短期金利に影響を与えやすい金融政策と、長期資金調達コストの抑制を目指す財政政策という、相反する力に投資家は引き続き向き合っている。
4日の米債券市場では、8月の米雇用の伸びが市場予想を上回ったことを受け、短期金利が上昇する一方、長期債利回りは横ばいとなり、イールドカーブ(利回り曲線)はフラット化した。市場では今月の米利上げ観測が強まったものの、財務省やFRBの政策見通しを巡る不透明感から、相場の動きは限定された。
CIBCプライベート・ウェルスで債券部門を率いるティム・ミュジアル氏は、雇用統計について「前菜に過ぎない。メインディッシュは11日発表のインフレデータだ」と指摘。一方、財務省の国債買い戻しについては、成長率や物価などのファンダメンタルズとは異なり「なかなか予測できない難題だ。こうした環境下ではリスクを少し減らすことになるかもしれない」と語った。
国債買い戻しプログラムの拡大は、財務省の通常の四半期発表とは別に公表されたため、投資家には想定外だった。発表に先立ち30年債利回りは2007年以来の高水準まで上昇しており、4日時点でも約5.25%と、その水準に近い状態が続いている。
米財務省の公表文書には、実施規模を従来の20億ドルから「少なくとも倍増させる」と記されており、ベッセント氏に選択肢の余地を残した格好だ。買い戻し額が40億ドルを上回れば、国債相場の上昇を誘発する可能性がある。
一方、ウォーシュ議長は先月のジャクソンホール会議での講演で「FRBの現在の最優先事項は物価であるべきだ」と強調した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では、8月のCPI上昇率は前年同月比3.4%、エネルギーと食品を除くコアCPIは同2.4%となっている。
スワップ市場が織り込む今月のFOMCでの0.25%利上げの確率は4日時点で約60%だった。
原題:Bond Traders Gird for More Swings at Both Ends of US Yield Curve(抜粋)
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