タクシー配車アプリのGOは、東京都内で4月から運賃の引き上げがあった中でもタクシーの利用は堅調に推移しているとの見方を示した。

中島宏社長はブルームバーグのインタビューで、運賃改定後もタクシー市場は縮小しておらず、「値上げをしたらその分だけマーケットが大きくなるという状況」と説明。地下鉄やバスより運賃水準が高く、相対的に割高なタクシーを選ぶ利用者は価格変動に影響されにくい層との認識を示した。

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

東京23区などでは4月に10%程度のタクシー運賃の改定を実施した。値上げは14%引き上げた22年11月以来、およそ3年半ぶり。燃料費の高騰や乗務員の労働環境改善、人材確保などに対応するためだ。

日本のタクシー運賃制度は、事業者からの申請を受け、国土交通相が道路運送法に基づき認可する仕組み。東京など一部地域では、国交省が一定の運賃幅を設定し、その範囲内で各事業者が実際の運賃を決める。タクシー需要の7割以上は主要10都市に集中しており、GOは東京や大阪などで全体の半数以上の車両と提携している。

6月に東京証券取引所グロース市場に上場し、今年最大規模の新規株式公開(IPO)となったGOはアプリ上でタクシーと乗客をマッチングさせる配車事業を展開し、手数料や関連サービスから収益を得ている。今期(27年5月期)の営業利益はアプリ配車、関連サービス両事業の増収で前期比85%増の130億円を計画。好業績への期待で株価はIPO価格から63%上昇している。

GOは成長戦略で1実車当たりの平均売上高の向上を挙げ、法人向けサービスや大型車両を配車するプレミアムサービスの拡充を進める。中島社長は「プレミアム車両数を順次増やしている最中で、増えれば増えるほど手数料率が上がっていく」と収益貢献度の高さを指摘した。

一方、準特定地域とされる東京や大阪などではタクシーの新規参入や増車には審査が必要で、台数が事実上制限されていることはGOにとって将来的な成長の妨げになりかねない。国交省は、重要市場の東京などでタクシー台数は必要車両数を上回っていると算定している。

自動運転で3-5年内にM&Aも

中島社長は、台数制限への中長期的な対応策として自動運転に言及し、システムへの投資ではなく、関連事業の合併・買収(M&A)を進める意向。魅力的な投資領域があれば、3-5年以内に実現する可能性はあると語った。

さらに中島社長は、将来的にアプリを通じた配車は全体の7割に上昇すると予測しているが、現在は28%にとどまり、配車アプリ間の競争よりも乗客を探しながら市中を走る流しのタクシー利用者の取り込みが課題だと指摘した。

東京のタクシー運賃変遷

(出所:国交省資料)

--取材協力:夛田凜々子.

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