欧州中央銀行(ECB)は、10日の政策委員会会合で今年2回目の利上げを決定するとほぼ確実視されている。焦点は、年内3回目の利上げにECB当局者がどこまで前向きかに移る。

ECBが0.25ポイント利上げに踏み切ることは広く示唆されており、主要7カ国(G7)で最もタカ派的な中銀という位置付けを改めて印象付ける動きとなる。議論はすでに次の一手の必要性に移りつつある。

長い夏休みを終え、新たな四半期経済予測を手にした政策当局者は、エネルギー輸入への依存度がなお高いユーロ圏で、中東での戦闘長期化と、燃料価格上昇が再び勢いづく可能性に直面している。

直近の統計では、ユーロ圏の8月のインフレ率は3.3%に上昇。約3年ぶりの高い伸びで、2%の目標を大きく上回る。インフレに比較的楽観的な見方を示す米連邦準備制度理事会(FRB)とは対照的に、ECBは予防的な引き締めの必要性を明言してきた。底堅い成長を示す材料は、その見方を補強しそうだ。

もっとも、ユーロ圏の直近のインフレ統計では、いわゆるコア指標が予想外に鈍化するなど、一定の安心材料となった。それでも当局者が危険を冒す気配はない。2022年の生活費高騰への対応が遅れたと批判された経緯もあるためだ。

3回目の利上げを巡る議論は微妙な局面を迎えそうだ。リトアニア中銀のシムカス総裁が9月の利上げだけでは不十分だとの見方を示した一方、ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁はヒントを与えることに慎重だった。

投資家は12月の利上げをおおむね織り込んでいる。エコノミストの多くは10日に実施される見込みの引き締めが当面最後になるとの見方を示してきたが、そのコンセンサスにも変化の兆しが出ている。JPモルガン・チェースとソシエテ・ジェネラル、BNPパリバのアナリストはここ数日、いずれも予想を変更し、追加利上げを見込んだ。

米CPI

9月15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、利上げに踏み切るかどうかは、政府のインフレ統計次第となりそうだ。4日発表の米雇用統計では労働市場の広範な底堅さが示された。

エコノミストは、11日に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%上昇し、伸びが加速するとみている。ガソリン価格の上昇が一因だ。

ブルームバーグ集計の予想中央値によると、変動の大きいエネルギーと食品を除いたコアCPIは0.2%と、より緩やかな上昇にとどまる見通し。前年同月比の上昇率は2.4%に低下し、21年以来の小幅な伸びとなる見込み。

10日には米労働統計局が8月の生産者物価指数(PPI)を発表する。エコノミストは、総合とコアともに加速すると予想する。イランでの戦争と、それに伴うサプライチェーン混乱による直接的な価格への影響が、より明確に表れる見通しだ。

8日には、カナダの対米報復関税が発効し、通商関係に関心が集中する。最大の焦点は、トランプ米大統領が追加措置で応じ、新たな報復の連鎖が始まるかどうかだ。交渉のテーブルに戻る兆しは見えていない。

原題:ECB Doubles Down as G7’s Hawk With Another Rate Hike: Eco Week(抜粋)

--取材協力:Ott Ummelas、Piotr Skolimowski、Charlie Duxbury、Vince Golle、Anthony Halpin、Beril Akman、Andrew Langley、Simon Lee、Brian Fowler、Brian Platt、Monique Vanek、Robert Jameson.

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