(ブルームバーグ):米ブルー・アウル・キャピタルの個人投資家向けプライベートクレジット・ファンドで昨年末、粘着材用剥離紙メーカーの米ロパレックスは他の投融資先とさほど変わらないようにみえていた。
返済順位が最も高い融資は1ドル当たり100セントと評価され、第2順位の担保付き債務も90セントをやや下回る水準だった。
それからわずか数カ月で、その全てが無価値とみられる状況に陥った。
直近では格付け会社ムーディーズ・レーティングスが新たな打撃を加えた。ロパレックスをデフォルト(債務不履行)状態と認定し、米連邦破産法11条の適用申請に至る可能性があるとの見方を示した。
ブルー・アウルの旗艦上場ビジネス開発会社(BDC)であるOBDCは第2四半期の終了後、パンプローナ・キャピタル・マネジメントが支援するロパレックスを「ノンアクルーアル(利息収入が見込めなくなった不良債権)」扱いとした。元利金の全額回収に疑義が生じた場合に取られる措置だ。
OBDCのノンアクルーアル資産は適正価格ベースで0.8%と、どの尺度で見ても全般的に低水準にとどまっている。だが、ロパレックスの債務が急速に悪化したことで、1兆8000億ドル(約280兆円)規模のプライベートクレジット市場における資産評価の妥当性を巡る疑念があらためて浮き彫りになった。
BDCは一般に、融資の評価額を各社の判断で決めることが認められており、借り手企業が経営難に陥った場合は、貸し手の裁量により評価額に大きな開きが生じることがしばしばある。
ロパレックスはまた、債務負担にここ数年苦しんでおり、そこから抜け出す道も限られていた。同社はディストレスト・エクスチェンジ(財務の悪化した発行体が既存債務を新たな債務と交換すること)を実施。S&Pグローバル・レーティングはそれでも2024年に、ロパレックスの資本構成が引き続き「持続不能な」状態にあると指摘していた。
同社は今年6月には第2順位担保付き債務の利払いを見送り、9月末まで債権者から権利行使の猶予を受けている。
パンプローナとロパレックスの担当者からは、いずれもコメントを得られなかった。ブルー・アウルの広報担当者は、OBDCのローガン・ニコルソン社長が最近の決算説明会で述べた内容を参照するよう求めた。
ニコルソン氏は8月6日の説明会で、「ロパレックスは事業を変革するような企業の合併・買収(M&A)を目指していた。実現すれば、新たな株式資本の注入によって資本の再構成が行われ、バランスシートと流動性が改善するはずだった」と説明。
「しかし、最終的にこの取引は頓挫し、その結果、当四半期にわれわれの投資持ち分を減額評価した」と述べた。
急速な引き下げ
ブルー・アウルによる評価額の引き下げは急速だった。規制当局への提出資料によると、OBDCは現在、ロパレックスの第2順位担保付き債務を額面1ドル当たり約5セントと評価している。3月31日時点では約63セント、昨年末時点では約88セントだった。
また、昨年末時点でほぼ額面通りに評価されていたロパレックス向け第1順位担保付き融資の一つは、現在では1ドル当たり22セントと評価されている。
プライベートクレジットに懐疑的な人たちは、資産評価のほか、融資の評価額と借り手企業の実際の業績悪化との間に時間差が生じ得る点に注目してきた。
貸し手は資産評価について、科学というよりアートに近いとしばしば表現する。現在の評価額が、ブルー・アウルの最終的な回収額を反映しているわけでは必ずしもない。
しかし、プライベートクレジット市場は、個人投資家向けファンドで過去に例のない解約圧力に直面している。市場のエクスポージャーがソフトウエアやテクノロジー分野に集中していることも懸念材料となっている。
原題:Blue Owl Slashes Private Loan to Near-Zero Amid Bankruptcy Risk(抜粋)
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