(ブルームバーグ):日本銀行の高田創審議委員は2日、利上げのペースと幅について、従来の半年に1回や0.25ポイントではなく、機動的な対応が必要だと考えを示した。一般論として連続利上げもあり得るとも述べた。
高田氏は札幌市内での記者会見で、世界的な利上げ局面入りやAI関連需要の拡大など内外の環境が大きく変化している中、「従来の半年に一度、年2回ではなく、新たな状況への機動的な対応が必要になる」と述べた。利上げ幅も、これまでの0.25ポイントだけでなく、「幅広い選択肢の中で対応していく必要がある」と語った。
その上で、局面変化の下で一定のペースを念頭に置くこと自体が「従来の発想だ」と指摘。利上げは「結果として連続になることも、一般論としてはあり得る」とし、利上げのペースや幅は毎回の金融政策決定会合の状況の中で判断していくとの見解を示した。
2日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで一時159円80銭台に上昇するなど、やや強含んでいる。あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、高田氏が連続利上げもあり得るとより具体的に述べたことで市場が反応したと分析。植田和男総裁の直近発言よりも、利上げ幅やペースに踏み込んだ内容だったとの見方を示している。
利上げに積極的なタカ派とされる高田氏は同日午前の講演で、今後の利上げに際し、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」と述べ、金融引き締めに前向きな姿勢を一段と鮮明にしていた。
物価の上振れを防ぐ日銀の意思を市場に示し、為替市場を通じた影響にも配慮する必要が生じるとの考えも示した。
高田氏は、政策金利の据え置きが決まった7月会合で1.25%程度への利上げを提案したが、反対多数で否決された。円安是正に向けた日米協調などを受けて市場で今月の決定会合での利上げ観測が高まる中、高田氏は早期利上げとともに、利上げ幅についても柔軟な対応が必要だと主張した。
市場では17、18日の決定会合での利上げが意識されている。市場の金融政策見通しを反映する金利スワップ市場では、同会合での利上げの織り込みが100%を超えている。
高田氏は、懸念された中東情勢の緊迫化の影響について「実際には経済の下振れシナリオは後退、デフレに戻るとの不安も低下」したと指摘。これらを踏まえ、2026年は「海外経済の転換から物価の上振れをより重視した議論が必要な新たな局面に入った」との認識を示した。
その上で、2%の物価安定目標をおおむね達成していると考えている中で、現状の政策金利は、2%景気を過熱も抑制もしない名目の中立金利にも達していないと説明。中立金利は特定困難としつつも、「物価の二次的波及に備えて事前に中立金利に近づける必要がある」と語った。
訪米中の植田総裁は1日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議終了後の会見で、利上げのタイミングやペースについて、次回を含めて毎回の決定会合でしっかり議論すると語った。
ベッセント米財務長官は日本に対して利上げの必要性を繰り返し訴えている。 G20会議終了後の会見で同氏は、大胆な金融緩和などを柱に経済成長を目指した「アベノミクス」は終わったと指摘。日本は物価の上昇を促すリフレに成功し、今は政策をシフトする必要があるとの認識を示した。
(高田氏の講演の詳細を追加して更新しました)
--取材協力:日向貴彦.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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