(ブルームバーグ):地球温暖化対策に貢献する銘柄で構成された世界的な株価指数で、日本企業のパフォーマンスが好調だ。生成AIブームによる大規模データセンターの整備は同時に消費電力と発熱量の増大を招くため、最先端の半導体製造や蓄電、冷却技術などに投資家の評価が集まっている。
Indxx気候変動指数は気候変動の被害軽減に取り組む先進国企業で構成され、年初来の上昇率上位10社を見ると4社が日本企業。電池のジーエス・ユアサ コーポレーションが41%高、水処理の栗田工業が26%高、ゴミ焼却炉・水処理のタクマとパワー半導体のサンケン電気が共に23%高で、同指数の5%高をアウトパフォームしている。同期間の東証株価指数(TOPIX)は23%高。
サステナブル投資に特化したインパックス・アセットマネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、オスカー・ヤング氏(香港在勤)は日本で大規模な半導体工場への投資が数年にわたり続けば、「恩恵を受けるのはつるはしとシャベルを売る企業だ」と指摘。具体的には半導体材料や製造装置メーカー、クリーンルーム、工場インフラ、水処理、電力管理企業などだと言う。
AI関連設備の増強に伴い、大きな課題として浮上しているのが消費電力と発熱量の増大だ。総務省の情報通信経済研究会で昨年提示された資料によると、2040年の情報通信技術(ICT)セクターの電力需要は20年比で約2倍から最大27倍となる見込み。半導体チップ技術の進展や生成AIの利用形態に応じ電力需要は変動すると予測され、エネルギー効率や冷却の重要性が一段と高まっている。
フラッシュメモリーのキオクシアホールディングスは、協業する米サンディスクと今後6年で日本での工場建設や技術開発で5兆円を投じるのをはじめ、韓国のSKハイニックスも日本での半導体工場の建設を検討している。日本政策投資銀行が先月公表した調査では、AIやデータセンター投資が増える製造業を中心に26年度の主要企業の国内設備投資計画は19.7%増となる見通しだ。
ポーラー・キャピタルのティエモ・ラング氏は、最近の株価の調整と予想を上回る企業業績が重なり、省エネルギーにつながるAI技術関連銘柄は「より魅力的な水準になっている」と指摘。一時的に投資減速の場面があっても、将来的には「力強く伸びる」とみる。
AIインフラの過剰な整備に対する警戒や抑制的な動きが出始めているのも事実だ。米ニューヨーク州は最近、データセンターの新規開発を1年間停止する措置を導入し、ニュージャージー州も開発業者に対する規制を強化した。
警戒感は今年上期に日本株相場をけん引した半導体関連銘柄の値動きに表れており、日経半導体株指数の騰落率は1-6月に2.5倍と急騰したのに対し、今四半期は1日まででマイナス27%と急反落している。
もっとも、ポーラー・キャピタルのラング氏はAIの処理能力の拡大向けた投資は引き続き加速傾向にあり、最近の半導体株の調整が環境インフラ企業の見通しを曇らせる可能性は低いとの認識だ。
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