英国のバーナム首相は議会に戻ると同時に、弱い公的財政という厳しい現実を突き付けられた。世界的な国債売りによって、財政余地は120億ポンド(約2兆6000億円)縮小したと見込まれる。

祝日明けで取引が再開された英国市場では、英国債利回りが数十年ぶりの水準に高騰。利払い費用が懸念され、政府の財政圧力はいっそう強まった。30年債利回りは5.85%と、1998年以来の水準に上昇し、10年債利回りも2008年の金融危機以来の高水準を付けた。

ブルームバーグ・エコノミクスの推計によると、インフレ加速と借り入れコストの上昇が相まって、政府が財政規則に対して確保していた236億ポンドの財政余力は約120億ポンド目減りした格好になる。政府自らが設定した財政規則では、2029年に税収で日常的な歳出をすべて賄うことを求めている。ヒーリー財務相は10月28日に、同氏として初の予算案を発表する。

PGIMクレジットのグローバル投資ストラテジスト、ギジェルモ・フェリセス氏は、「英国債市場が完全には落ち着いていない理由は、バーナム氏の財政運営が実際のところまだ明確でないことだと思う」と述べた。

悪化する財政情勢の下、7月20日にスターマー氏から首相職を引き継いだバーナム氏は1日、就任後初めて下院で演説した。

キャピタル・エコノミクスは2週間前、ヒーリー氏がリーブス前財務相と同じ「財政余力の罠」に陥り、財政余力を回復し財政の信頼性を維持するために「政府支出の削減や増税」を余儀なくされる恐れがあると指摘していた。

リーブス氏は2024年に初の予算を発表したが、90億ポンドしか残さなかった財政余地はほぼ即座に消滅。これにより数カ月にわたって政策を巡る臆測を招き、状況を不安定化させた。

英国は政府債務残高が国内総生産(GDP)の約95%に達し、2029年まで減少する見込みがないことから、財政の持続可能性が懸念されている。

原題:Surge in UK Borrowing Costs Halves Government’s Fiscal Headroom(抜粋)

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