タイは、輸入天然ガスへの依存を減らし、再生可能エネルギーと原子力発電の活用を進める方針だ。イラン戦争のような外的ショックの影響を受けにくいエネルギーシステムの構築を目指す。

アカナット・エネルギー相によると、タイは25年以内に、電力の60%を太陽光や風力、水力などのクリーンエネルギー源で賄うことを目指す。従来目標の2倍となる。同氏は、10月に公表する改定版の25カ年国家電力計画で、正式に目標を発表すると述べた。

同氏は26日遅く、タイ議会でのインタビューで「中東で続く紛争は、液化天然ガス(LNG)やその他の燃料の輸入を早急に減らさなければならないことを示している」とし、「よりクリーンで自立性の高い電力システムを構築する必要がある」と語った。

タイでは現在、電力の60%余りを天然ガスで賄っている。その大半を輸入しているため、海上輸送されるLNGの価格急騰を招いた中東紛争のような事態の影響を受けやすい。

電源構成の約15%を占める再生可能エネルギーの発電能力を増強すれば、輸入燃料への依存度を低減できるだけでなく、2050年までにネットゼロを達成するという同国の目標も後押しすることになる。

急速な設備増強が必要となる再生可能エネルギーへの取り組み強化は、タイの電力需要が大幅に増加すると見込まれる中で進められる。同国には、データセンターやクラウドコンピューティング、先端製造業で数十億ドル規模の投資が流入している。政府は、需要増に対応できる十分な発電能力を確保し、家計の電気料金への影響を抑えるための措置を講じている。

アカナット氏は「データセンターから先端製造業に至る次の投資の波には、膨大な量の電力が必要になる」と話した。

アカナット氏によると、新たな電力計画には原子力エネルギーが初めて盛り込まれ、タイのエネルギー戦略にとって大きな転換となる。政府は、供給が不安定な再生可能エネルギーを補完し、安定的で低炭素な電力源として、小型モジュール炉(SMR)を検討しているという。

アカナット氏は今週の議会で、村落向けの屋上太陽光発電を含む再生可能エネルギーに2000億バーツ(約9680億円)を投じる政府案の妥当性を訴えた。

タイ政府が25カ年国家電力計画を最後に改定したのは23年で、イランでの戦争やAIブームの前だった。

原題:Thailand to Shift From LNG Toward Renewables in Wake of Iran War(抜粋)

--取材協力:Bertha Wang.

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