(ブルームバーグ):前衛芸術家の草間弥生さんが14日、死去した。97歳だった。草間さんは、無数の水玉模様が広がる幻想的な世界を描き、芸術・文化面だけでなく、商業的にも大きな成功を収めた。
公式ウェブサイトの発表によると、草間さんは、東京都内の病院で死去した。共同通信によると、死因は多臓器不全という。
草間さんの作品を象徴する特徴的な水玉模様は、幼少期からの幻覚に由来する。草間さんは、生涯にわたり取り組んだ「無限」と「消滅」という概念を水玉で表現。自身の幻覚を映し出しているという幻惑的な没入空間へと鑑賞者をいざなった。
極めて多作だった草間さんは、1977年から過ごした東京の精神科病院で人との接触を避けながら、数多くの代表作を生み出した。
草間さんは99年、雑誌「Bomb(ボム)」のインタビューで、「私の芸術は、私だけに見える幻覚から生まれている」と語った。
自身の病について具体的に語ることはほとんどなかったが、草間さんの作品は病との闘いから生まれたものであると同時に、救いでもあったという。
若い頃から芸術家として活動し、60年代にはニューヨークのアバンギャルド(前衛芸術)界で異彩を放った草間さんは、晩年の数十年間に著名美術館が相次いで回顧展を開催したことで、名声は驚くほど高まった。
2000年代初めごろから、世界各地のギャラリーで開かれた展覧会は、盛況を博した。代名詞の水玉模様で埋め尽くされた彫刻の展示室、目がくらむような「インフィニティ・ネット(Infinity Net)」の絵画、無数の光がきらめく鏡張りのインスタレーションは、ロサンゼルスから日本の小さな島、直島に至るまで各地で人々を引き付けた。
24年には、オークションでの作品の売上高が5880万ドル(約93億7000万円)となり、デービッド・ホックニーやルシアン・フロイドといった著名芸術家を抑え、現代美術家として世界トップとなった。
原題:Yayoi Kusama, Japanese Artist Who Painted Polka Dots, Dies at 97(抜粋)
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