トランプ政権の通商交渉トップであるグリア米通商代表部(USTR)代表は、一部のカナダ産品の禁輸を検討する可能性を示唆した。米加の通商対立が新たな段階に入る可能性が出てきた。

グリア氏は26日、カナダ放送協会(CBC)とのインタビューで「カナダは米国の酒類や蒸留酒の販売を禁止した。われわれはカナダからの輸入品を何も禁止していない。カナダは特定の米国製自動車の輸入に上限を設け、各州の調達から特定の商品やサービスを排除している」と述べた。

グリア氏は「繰り返すが、われわれはこうした禁止措置を講じたことはなく、かなり極端なものだ。しかし、われわれも同様の措置を講じる必要があるのかもしれない」と述べた。USTRはこの発言をソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」に投稿した。

米国とカナダの貿易交渉は、数日間にわたり合意に向かっているように見えていたものの、先週の期限直前に突然決裂した。米側は、カナダが最善の条件を拒んだと主張する一方、カナダ側は、自動車産業と国家主権に不利益となる土壇場の変更が原因だったとしている。その後、米国は約200億ドル(約3兆1900億円)相当のカナダ産品に50%の関税を課した。これはカナダからの輸入総額の約5%にあたる。

これに対し、カナダのカーニー首相は、同額の米国製品に9月8日から15~50%の関税を課すと発表した。トランプ米大統領に屈しないカーニー氏の姿勢に対し、カナダ国民の支持が広がっている。トランプ政権の対カナダ強硬策とカナダからの報復措置は、米国内で反発を招く恐れもあり、11月の中間選挙を前に共和党の苦境をさらに深める可能性がある。

グリア氏はCBCニュースとのインタビューで、カナダの対米貿易担当相を務めるドミニク・ルブラン氏との協議は停止したままだと示唆した。

「現在のところ、協議の扉は開かれていないと言える」とグリア氏は述べた。「ルブラン氏とは良好な関係にあるが、今はカナダ側が次の対応について話し合っているのだと思う」と語った。

原題:Greer Suggests US Needs to Consider Bans on Canadian Goods(抜粋)

--取材協力:Thomas Seal.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.