(ブルームバーグ):トランプ米大統領は26日、外国製の変圧器やその他の重要なエネルギー設備の一部を、国家安全保障上の理由から米国の送電網から排除することを目的とした緊急の大統領令に署名した。
民主、共和両党の間で、米国の電力システムに組み込まれた中国製部品に、外国の敵対勢力が悪用できる脆弱(ぜいじゃく)性が潜んでいる恐れがあるとの懸念が強まっていた。米国の水道施設に対する一連のサイバー攻撃を受け、重要インフラが攻撃対象となり得ることへの警戒も高まっている。
サイバーセキュリティー上または運用上のリスクとなり得る場合、一部の外国製大規模電力系統向け電気設備と関連ソフトウエアについて、米国による購入や輸入、設置を原則として禁止する。
すでに設置されている設備についても、リスクに対処するため、継続使用に新たな条件が課される可能性がある。エネルギー長官が、信頼性や安全性への影響を考慮しつつ、必要に応じて制限を課す。
大統領令では、「特定の外国勢力が米国の大規模電力系統の脆弱性をますます生み出し、悪用している」と指摘。「先端製造業やデータセンター、AI、防衛生産の急速な拡大により、米国は豊富で信頼性の高い電力への依存が高まり、大規模電力系統が攻撃を受けた場合や供給が途絶した場合の影響も大きくなっている」と説明した。
署名に先立ち、ブルームバーグは26日、同命令について報じていた。
今回の措置により、米国内の電気設備メーカーのほか、ソーラーエッジテクノロジーやエンフェーズ・エナジー、テスラなどの企業が恩恵を受ける可能性がある。米国でインバーターを製造するソーラーエッジの株価は一時13%上昇。蓄電池を供給するエンフェーズも時間外取引で一時4.4%高となった。
国際エネルギー機関(IEA)によると、中国は世界の蓄電池と太陽光発電用インバーターの生産能力の約80%を占める。また、米商務省の2020年の調査によると、過去10年間に中国製の大型電力用変圧器が多数、米国に輸入された。
エネルギー省が禁止措置を実施するための規則を策定する間、対象設備を使用する電力会社などには、禁止対象となる機器について事実上の警告が発せられる。トランプ氏の命令は、二つの連邦法に基づく国家非常事態宣言を根拠とし、同省に120日以内に関連規則を公表するよう求めている。
設備の禁止措置は、重要な電力システム部品ですでに生じている供給逼迫(ひっぱく)と重なり、一部の設備で長期化している納入待ちをさらに悪化させる可能性がある。
トランプ氏はライト・エネルギー長官に対し、大規模電力系統で使う電気設備に関するリスク対応を強化するため、必要な変更点を特定し、提言するよう指示した。今回の命令は、地域の配電設備には適用されない。
原題:Trump Moves to Ban Some Foreign Energy Equipment From Grid (1)(抜粋)
--取材協力:Mark Chediak.
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