25日の東京市場では株式が取引開始時の下落から持ち直した。米エヌビディア決算を前に値下がりしていた半導体関連株の一角に打診買いが入った。債券は下落(金利は上昇)。円は対ドル159円前半で推移している。

一時900円を超える下落だった日経平均株価は300円超高で取引を終えた。午前に値下がりしていたアドバンテストは下げ幅を縮め、東京エレクトロンはプラスに転じた。米国がカナダから輸入する自動車に対して、関税を現行の2倍にすると表明したことで自動車株は安い。債券は先物や長期債が下げ、円はニューヨーク終値比で小幅安。

「KABUTO ONE(カブトワン)」株価ディスプレイ

ベッセント米財務長官は24日、イランと取引するあらゆる国に経済的な制裁を科すと警告した。ただ、原油相場への影響は限定的で、金融市場はジャクソンホール会合(米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)といったイベントを控えて全般は手控えムードが強かった。

SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、対イランの新たな作戦でベッセント氏は具体的制裁などを十分に明らかにしておらず、実効性に疑問を提示させると述べた。同時にあえて曖昧にしているとも考えられ、どの程度実効性を発揮するかを金融市場が把握するためには一定の時間を要するだろうと25日付リポートで指摘した。

株式

半導体関連株の一角や電線株などの非鉄、銀行株、保険株が買われ、日経平均、TOPIXともに上昇した。

東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「エヌビディア決算への警戒で売られていた半導体関連株に押し目買いが入っている」として、韓国株の下げ幅縮小も追い風だと述べた。エヌビディア決算は数字そのものは強い可能性が高い一方、株価は下落基調が続いており、決算後に大きく下げる展開は見込みづらいと指摘している。

韓国株も持ち直して取引を終えた。

一方、アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、地政学リスクを受けた原油相場の感応度は鈍くなっているものの、原油価格は高止まり、インフレ懸念で金利が上昇すれば株式の逆風になるとの警戒感は根強いと指摘。特にグロース(成長)株は金利高の悪影響を受けやすく、稼ぐ力が強く、割安な銘柄に連日買いが入っていると話した。

債券

債券相場は下落。ベッセント米財務長官が打ち出した長期国債買い戻しの原資として、財務省が手元資金の一部を取り崩す可能性が報じられ、米長期金利が低下したものの、国内の財政拡張への警戒感が相場の重しになった。

SMBC日興証券の丸山凜途シニア金利・為替ストラテジストは、米国のイランへの追加制裁も含め中東情勢の不透明感から原油高が意識されていることや足元の円安などが相場の重しになっていると指摘。概算要求についても不確定であり、超長期債の金利の押し上げ要因にもなっていると話した。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、アジア時間で米長期金利が上がったことや国の国債の利払い費の報道があったことが相場の重しになっている可能性があると指摘した。「驚くべき数字ではないが、財政関連の話が出ると売りに転じる地合い」と指摘した。

新発国債利回り(午後3時時点)

為替

円は対ドルで159円台前半とニューヨーク市場終値に比べて小幅下落。米国のイランに対する新たな制裁計画の表明や米長期国債買い戻しの原資として、財務省が手元資金の一部を取り崩すとの報道に対して影響は限定的だった。

外為どっとコム総合研究所の中村勉為替アナリストは、財務省の一般勘定(TGA)の資金を利用する額にも限度があり、まだ観測の段階で金利の低下が続くのは難しいとし、ドルは引き続き下値が堅いと指摘。今週はジャクソンホールでのウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言やベッセント米財務長官が予告している財政健全化策待ちの状態だとし、158円後半から159円前半のレンジで推移すると予想する。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:アリス・フレンチ.

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