中国ではスマホで気軽にみられる“数分完結”のショートドラマが急拡大しています。市場規模は映画を上回るほどですが、いま、業界にはある変化が起きています。

「大ヒット!大ヒット!大ヒット!」

先月、撮影初日を迎えたドラマの成功を祈願するイベントが行われていました。

中国・重慶市にある撮影所。東京ドーム2.5個分の土地には、なんと300以上のセットがあります。

記者
「撮影で使われるオフィスのセットになります。そして、目の前には高校の教室のセットがあります。机がずらりと並んでいて、本物さながらのセットとなっています」

ここでは年間1000件ものドラマや映画の撮影が行われています。

「カメラを回します。3、2、1、アクション!」

撮影が始まったのは、10年前の未解決事件を描くサスペンスドラマで、1話12分ほど。中国ではいま、こうしたショートドラマが爆発的に増加しているのです。

去年の配信数は3万3000本にのぼり、市場規模は1000億元=およそ2.4兆円を突破したということです。

ショートドラマの監督 唐暁飛氏
「ショートドラマはストーリーが凝縮され、どんでん返しが次々と起こるため、視聴者が爽快感を得やすくなっています」

一方で、この業界では今年に入り、大きな変化が起きています。

記者
「フロアにはたくさんのディスプレイが並んでいます。こちらの会社では1日に100話以上のAIドラマを作っているということです」

河南省にある制作会社。作っているのは、AIによって生成されるショートドラマです。

制作会社『浮光AI』 スタッフ
「例えば人物の立ち位置はこうです。ここでプロンプトを入力します。『画面の左側』に『女性』をタグ付けします」

脚本に基づいてAIに指示すると、3分ほどで6秒のシーンが完成しました。

制作会社『浮光AI』 スタッフ
「このクリップは6秒間で、計算すると、かかるのは7元(168円)近くです」

1話は2分程度、わずか3400円ほどで作れる計算です。

中国メディアによりますと、今年の第一四半期に中国で作られたショートドラマのおよそ95%がAIによって生成されたものでした。

この会社は、5年前は主に実写ドラマを作っていましたが、いまでは社員のおよそ9割がAIドラマの制作に携わっています。海外輸出にも力を入れていて、日本へも月に30~50本の輸出を見込んでいます。

制作会社『浮光AI』 副社長
「日本市場はユーザーの消費習慣が成熟しており、ユーザー定着率も比較的高いです」

急成長するショートドラマ市場。AIをどう活用していくのか、現場はその答えを模索し始めています。