(ブルームバーグ):米国では、予防接種を完了しないまま就園する幼稚園児の増加傾向が続いている。ワクチンで予防可能な感染症の流行にもかかわらず、子どもの接種を見送る家庭が増えているためだ。
米疾病対策センター(CDC)の17日の発表資料によると、2025年の就園時点で必要な予防接種をすべて済ませていた幼稚園児の割合が前年から低下した。はしか、ポリオ、水痘の各ワクチンで接種率が下がった。
必要なワクチン接種を完了しないまま就園することを認める接種免除の割合は、2025-26学年度に過去最高の4.2%に上昇した。前年度は3.6%だった。直近の学年度では24州で5%を超えた。
米国でははしかの流行が続いており、感染者数は30年ぶりの高水準に達している。特に深刻な州の一部では、はしかのワクチン接種率は維持されており、全米の低下幅は1ポイント未満にとどまった。ただ、地域差は大きく、就園児の接種率はアイダホ州の75.2%に対し、ニューヨーク州では97.7%だった。
全米では25年、はしか・おたふくかぜ・風疹の3種混合ワクチン(MMRワクチン)を必要回数接種した幼稚園児の割合は92.4%と、前年の92.5%から低下。はしかに対する集団免疫に必要とされる95%を下回る。集団免疫は、免疫機能が低下している人やワクチンを接種できない人を地域社会で感染から守る役割を果たす。
接種率が低下したとはいえ、今回のデータは、トランプ政権が小児向け予防接種スケジュールの変更を改めて試みる中でも、米国ではワクチン接種が依然として広く支持されていることを示している。
一部の州では、感染拡大をきっかけに親が子どもに予防接種を受けさせる動きが広がり、MMRワクチンの接種率が上昇した。感染者が1000人近くに上る、米国内では数十年ぶりの規模のはしか流行に見舞われたサウスカロライナ州では、25年のMMRワクチン接種率が93.4%と、前年の91.2%から上昇した。
ワクチン政策の転換
連邦政府レベルでは、米国のワクチン接種スケジュールへの関心が再び高まっている。トランプ大統領は先週、3種混合ワクチンを3つの個別接種に分けるよう奨励する大統領令を出した。これはワクチンを製造するメルクとGSKにとって、コスト増を招き、対応を複雑にする可能性がある。また、混乱をさらに深め、一部の子どもが予防接種を受け損なうリスクも高める。
米国のワクチン政策は、ケネディ厚生長官の下で大きく転換している。長年ワクチン接種に批判的だったケネディ氏は昨年、予防接種に関する主要な諮問委員会の委員を全員解任し、その後、一部のワクチン批判派を新たに委員に起用した。さらに同委を経ずに小児向け接種スケジュールを改定した。いずれの措置も現在、裁判で争われている。
トランプ氏による今回の動きは、中間選挙を数カ月後に控えた時期に打ち出された。これに先立ち、接戦の選挙区でもワクチン接種が依然としておおむね支持されていることが内部世論調査で判明したため、ケネディ氏は政治的に微妙なこのテーマを避けるよう指示されていた。
大統領令は各州に対し、就園・就学に必要なワクチンの見直しを含め、接種スケジュールを再検討するよう指示した。
原題:Kindergarten Vaccine Rates Drop for 2025-26 School Year (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.