(ブルームバーグ):12日の東京株式市場で太陽誘電株が反発。一時破綻寸前に陥ったAI投資特化の米ヘッジファンド、シチュエーショナル・アウェアネスが7月下旬までに同社株を17%弱まで買い増し、その後売却していたことが明らかになった。
株価は前営業日比7.5%上げた。シチュエーショナルは12日、関東財務局に太陽誘電株の保有に関する複数の報告書を相次ぎ提出した。それらによると、同ファンドは6月29日時点で太陽誘電株を5.99%保有。7月22日までに16.61%まで買い増した後、8月3日には市場外で売却して保有比率を4.41%まで引き下げた。

シチュエーショナルによる株式保有について太陽誘電の担当者からコメントは得られていない。
OpenAIの元研究者レオポルド・アッシェンブレナー氏が設立したシチュエーショナルは、7月のハイテク株急落で破綻寸前まで追い込まれ、保有するAI関連株の大半を著名投資家のケン・グリフィン氏率いる米シタデルに売却した。今回報告した太陽誘電株の保有は、同ファンドが破綻の危機にひんした約1カ月前に発生していたことになる。
松井証券の窪田朋一郎チーフマーケットアナリストは、シチュエーショナルは恐らく損失を出して太陽誘電株を売却し、シタデルが取得した可能性があるとの見方を示した。
「シタデルは熟練の投資家で、安く拾って少し高いところで売る手腕を持ち合わせているだろう」と指摘し、市場では「シタデルと同じような時期に太陽誘電株を買っておけば利益を得られる」との思惑が働いていると言う。
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「直近の調整で7月高値から半値以下になっており、値ごろ感もあった」と見ている。一方、同社が手がける積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需給などファンダメンタルズ面では不透明感もあり、今回の大量保有報告による「株価の押し上げ効果は限定的だろう」とも話した。

太陽誘電株はMLCCへの高水準の需要が続くとの期待から、今年に入って7月1日までに6倍超に急上昇。その後、AI関連の設備投資に対する世界的な警戒感から下落したものの、年初来では依然として大幅な上昇を維持している。
(1段落目と2段落目で保有比率と株価情報を更新)
--取材協力:望月崇.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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