(ブルームバーグ):シンガポールは、AIの急速な発展から恩恵を受けている。同国政府は、こうした技術を活用して生産性を高め、生活への不安を抱く労働者により良い雇用を確保する方針だ。ウォン首相が明らかにした。
ウォン首相は8日、独立記念日の前夜に発表したメッセージで、現政権は産業・通商政策の在り方や、シンガポールの競争力を強化する方策を見直していると述べた。
同氏は、「新たな技術革新によって、ほんの数年前には想像もできなかった機会が生まれる一方、新たな課題や問題も浮上している」と指摘。「他国が前進する中、われわれは立ち止まっているわけにはいかない。しかし、あらゆる新技術を無批判に受け入れるべきでもない。シンガポールは自国に適した形でこうした進歩を取り入れていく」と語った。
さらに、出生率が過去最低に落ち込む中、子育てや高齢者介護の負担増に直面する家庭を支援する措置を今月発表する方針を示した。
ウォン氏は、「世界各地で家庭生活への負担が一段と増している」とし、「シンガポールでもこうした懸念の声を聞いている。多くの家庭がさまざまな負担を同時に抱え、余裕を失っている」と述べた。これまでも、財政規律を維持しつつ、高止まりする生活費に直面する家計を政府が支援すると繰り返し表明してきた。
子どもたちが「デジタルの世界を安全かつ責任を持って利用できる」よう、保護策を一段と強化する方針も示した。
シンガポール経済は、世界の需要の変化や広範なサプライチェーン再編の影響を特に受けやすい。当局者も、外部の変動や技術転換が貿易依存度の高い同国に引き続きリスクをもたらしていると警告している。
それでも、AI関連電子機器に対する世界的な需要が地政学的な逆風を相殺し続けており、経済成長率は政府の通年予想を上回るペースで推移している。

速報値によると、4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は前年同期比5.7%増となり、前四半期の6.3%増から伸びが鈍化した。貿易産業省による最新の通年成長率予想は2-4%となっている。
原題:Singapore to Ensure AI Helps Workers Worried About Jobs, PM Says(抜粋)
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