(ブルームバーグ):中国の証券会社は、新規口座の審査を厳格化するとともに、信用取引や証券貸借、オプション取引の審査を強化している。同国の規制当局は相場急落を受け、過度にリスクの高い取引の抑制に動いている。
事情に詳しい複数の関係者によると、中信証券や東方財富信息など複数の証券会社は最近、レバレッジ取引やデリバティブ(金融派生商品)取引を希望する顧客に対するコンプライアンス(法令順守)要件を引き上げた。非公開情報を理由に関係者は匿名を条件に語った。両社にコメントを要請したが、返答は得られていない。
関係者の話では、信用取引やオプション口座の利用を承認するのに先立ち、資産状況や取引経験、リスク許容度を一段と厳格に審査する措置などが講じられている。幾つかの証券会社では、過去半年以内に新規口座を開設した投資家や、追加証拠金の差し入れを頻繁に求められた投資家について、新たな借り入れを制限する。
今回の規制強化は、株式市場のレバレッジに対し中国当局が警戒感を強めていることを浮き彫りにしている。個人投資家が多額の損失を被れば、金融システムや社会全体の不安定化につながるリスクがある。当局は、強制的なポジション解消を招き、相場下落を加速させかねない高レバレッジ取引に重点を置いている。
旭方投資管理のパートナー、王晨氏は「一部の市場でレバレッジが過度に集中し、市場が不安定化するリスクが高まった」と指摘。「こうしたリスクは和らいだように見受けられるものの、完全には解消されていない可能性が高く、今後も規制当局の重点監視対象となるだろう」と語った。
今年の相場上昇局面では、個人投資家が借入資金に大きく依存して利益を追い求め、中国株に殺到した。しかし、市場のボラティリティーが急上昇すると、7月終盤にはポジションの解消を余儀なくされる個人投資家が増えた。証券会社の顧客担当者が明らかにした。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、中国の信用取引残高は6月終盤に3兆元(約70 兆円)を超えた後、7月末には2兆6000億元に減少した。上期(1-6月)に新たに開設された信用取引口座は96万660口座と、前年同期比60%増加した。6月だけでも前年同月比77%増の17万9021口座が新規開設され、レバレッジ取引に対する個人投資家の需要急増を浮き彫りにした。
取引の活況は証券業界全体の業績を押し上げた。中国国際金融(CICC)は、上場証券会社42社の1-6月期純利益が合計1425億元と、前年同期比50%増加したと推計している。中信証券の1-6月期純利益は69.6%増と過去最高を記録した。
中国株の1日当たり売買代金は6月終盤に4兆元近くまで膨らんだ後、過去数週間は3兆元を下回っている。
原題:China Brokers Tighten Client Scrutiny to Curb Excessive Risk(抜粋)
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