(ブルームバーグ):日本銀行が7月30、31日に開いた金融政策決定会合で、従来よりも利上げペースを加速する必要性に複数の政策委員が言及していたことが分かった。「主な意見」を10日に公表した。
政策委員の1人は一時的要因を除いた「基調的な物価上昇率が2%に近づく中、物価の上振れリスクにはこれまで以上に配慮する必要がある」と指摘。その上で、「経済・ 物価・金融情勢によっては、利上げのペースが市場の想定より早まることも考えられる」と述べた。
金融政策の焦点が、基調物価の引き上げから、「さらなる上振れ回避」に局面変化したとの指摘も出た。その委員は「待つことのリスクが小さい」とは言えないとし、「金融緩和度合いの調整をペースアップする必要がある」と主張した。
会合では、政策金利を1%程度に据え置くことを賛成多数で決めた。日銀は6月に利上げしており、ペースについて市場では半年に一回程度との見方が大勢だった。主な意見はタカ派的な意見が目立ち、会見での植田和男総裁の発言や日米協調の為替市場介入などを受けて高まった早期利上げ観測を裏付ける内容となった。
ベッセント米財務長官は4日、米経済専門局CNBCとのインタビューで、円相場の安定が重要との認識を示し、日銀が「必要なことは実行すると信じている」と語った。金利スワップ市場では、次回9月会合での利上げ予想が65%程度まで高まり、10月までの実施をほぼ織り込んでいる。
ある委員は、グローバルな利上げ局面に転じる中で、一定の利上げペースにとらわれないことの重要性を指摘。「海外の金融環境の転換にも応じた機動的対応や利上げ幅の議論が必要となる新たな局面に転換した」と語った。
AI関連需要と為替
決定結果と同時に公表した新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)には、金融政策運営に関する点検項目にAI関連需要の拡大と為替相場の変動の影響が盛り込まれた。従来は中東情勢の影響だけだった。
ある委員は、物価に対して、「中東情勢、AI関連需要の拡大、円安いずれ上押し方向に働く」と指摘。「グローバルなAI関連需要や各国の拡張的な財政政策が、さらに需要を増やし、一段と物価を押し上げ得る」と発言する委員もいた。
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