(ブルームバーグ):ウォーレン・バフェット氏から米保険・投資会社バークシャー・ハサウェイを引き継いだグレッグ・アベル最高経営責任者(CEO)の初の大型案件は、4000億ドル(約63兆3500億円)近くの手元資金を減らすだけのものではなく、アメリカンドリームに賭ける投資でもあった。
バークシャーは7月、テイラー・モリソン・ホームを買収し、米住宅建設大手の一角に躍り出た。2025年の住宅引き渡し戸数に基づくと、同社を上回るのはD.R.ホートン、レナー、パルトグループだけだ。
この買収でバークシャーは、工場生産住宅や建築資材から不動産仲介、公益事業にまで及ぶ住宅関連事業をさらに拡大する。同社は、住宅購入を取り巻く経済活動のほぼあらゆる段階に関与することになる。長年掲げてきた、できるだけ多くの人々が住宅を所有できるようにするという目標にも一歩近づく。
バークシャーは8日に4-6月期(第2四半期)決算を発表する。投資家は、今年バフェット氏から経営を引き継いだアベル氏が今後どのように同社を率いていくのかを探ることになる。その中には、バークシャーが不動産業界でさらに存在感を高める考えなのかどうかも含まれる。

バークシャーの今回の買収は、住宅市場の長期的な先行きへの楽観的な見方を反映している。住宅ローン金利の高止まりは、購入を検討する人々の意欲をそぎ、住宅建設会社の景況感を圧迫している。D.R.ホートンは、住宅取得の難しさと「慎重な消費者心理」を理由に、今年の住宅販売見通しを引き下げた。
それでも米国では、必要とされる住宅数に対して数百万戸が不足していると推計され、住宅供給は政府の政策論議の中心的な課題だ。7月に成立した超党派の法律は、住宅建設の拡大を目指している。
バークシャーを担当するキーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリスト、マイヤー・シールズ氏は、「新築住宅への需要は常に存在する。住宅の数には限りがあり、人口は増えている」と語った。
テイラー・モリソンの買収は、バークシャーが傘下のクレイトン・ホームズの保有を通じて築いてきた事業を補完するものだ。クレイトンは、少なくとも一部を工場で生産する比較的低価格の住宅を中心に手掛けている。両社を傘下に持つことで、バークシャーは工場生産住宅、現場建築住宅、マスタープラン型コミュニティーまで幅広く提供し、さらに幅広い顧客に対応できるようになる。

今回の買収は、確立された事業を買収し、時間をかけて収益性が高まることを期待するという、バフェット氏の長年の投資手法に沿うものだ。バークシャーには投資に充てられる潤沢な資金があり、機会が生じれば住宅分野でさらに事業を拡大する余力も十分にある。
今回の買収は、アベル氏が同社をどのように経営していく考えなのかを示す、最初の手掛かりとなる可能性もある。
バフェット氏の下では、バークシャー傘下の事業会社はおおむね独立して運営され、事業間の連携は限定的だった。テイラー・モリソンとクレイトン・ホームズを住宅事業として一つにまとめることになれば、アベル氏が長年にわたり複数の公益事業会社を統括していたバークシャー・ハサウェイ・エナジーに似た形となる。
バークシャーを担当するCFRAリサーチのアナリスト、キャシー・セイファート氏は「グレッグ氏は今後、間違いなく自分なりの色を会社に出したいと考えるだろう。事業運営に精通した人物なので、既存事業の運営や機能のさせ方に、彼らしさが表れるのかもしれない」との見通しを示した。
原題:Berkshire Goes All-In on Housing Bet With Taylor Morrison Deal(抜粋)
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