ソフトバンクグループは6日、4-6月期(第1四半期)決算を発表した。純利益は3473億円で、前年同期の4218億円から18%減となった。決算説明会では、AI関連プロジェクトの進ちょくが報告されたものの、AI投資の回収に向けた具体的な道筋はなお十分には示されなかった。

ソフトバンクG本体が投資するインテル株の上昇の恩恵があった一方、ビジョン・ファンド(SVF)の税引き前利益は54億2700万円で、前年同期(4514億円)から大幅減となった。

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

2号ファンド(SVF2)では約800億円の投資損失を計上。一部の未公開投資先の評価額が上昇した一方、PayPayや米ロボティクス会社シンボティックなど公開投資先の株価が下落した。

財務費用は3287億円と前年同期の約2倍になった。大型借り入れや社債発行残高の積み上がりに加え、調達金利が上昇し、支払利息が増加した。

ソフトバンクGは、AI分野での中長期的なリターンを見込み、米OpenAIをはじめ、ロボットを自律的に動かすフィジカルAIなどに積極的に投資してきた。ただAIバブルへの警戒感が強まる中、成長期待だけでは投資家は満足せず、6月2日に付けた上場来高値に比べると株価は3割超下落した。今回の決算では、AI分野での収益化の道筋に関心が集まっていた。

6日に開かれた決算説明会では、データセンター投資やAI関連サービスの提供状況の進展について言及があった。また開発競争が激しくなる中でも、ChatGPTはアンソロピックやグーグルのモデルと比較して性能とコストの両面で競争力を高めているという。

一定の成果を上げつつあることは示されたものの、市場の懸念が解消されるかは不透明だ。

説明会に登壇した後藤芳光最高財務責任者(CFO)は、「株価に関しては短期的な変動に一喜一憂は全くしていない」と説明。市場が気をもむOpenAIの上場延期報道に関しては、「われわれが上場するわけではないのでコメントできない」と述べる一方、「期待はしている」と語るにとどめた。OpenAIの評価額は前期末から横ばいだった。

重要財務指標の時価純資産(NAV)が6月末に過去最高の72.3兆円に達し、財務負担の指標となるLTV比率(資産価値に対する借入金の割合)も13%と、3月末の17%に比べ改善した。レイトステージ投資の公正価値は1330億ドル(21兆円)となり、3月末から150億ドル増加した。AI関連を中心とする投資資産の価値上昇が、グループ全体のNAVを押し上げた。

投資資金確保のために借り入れや社債発行を進めてきたことで、財務状況に関する懸念も高まっている。信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)はOpenAIの新規株式公開(IPO)期待などを背景に278ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで縮小していた。その後、IPO時期の延期検討が報じられ、6日時点では339bpと日本企業で最高水準だ。

ABB買収費用も手当

ソフトバンクGは3月、OpenAIへの追加出資や事業資金の調達に向け、総借入限度額400億ドルのブリッジファシリティ契約を締結した。最終返済期限は2027年3月で、市場では借り換えを含む今後の資金調達方針にも関心が集まる。

資金調達も続いている。今年は個人向け劣後債を総額6780億円発行したほか、4月にはドル建て・ユーロ建て社債で約5700億円を調達。今月は機関投資家向けに900億円の円建て社債を発行した。

また8月には、ABBのロボティクス事業の買収資金に一部充てるため、17億5000万ドルのレバレッジドバイアウト(LBO)融資を組成。保有するOpenAI株を使ったローン契約も結び、今月中に100億ドルの借り入れを実行する。

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