(ブルームバーグ):メモリーストレージ製品を手掛ける米サンディスクの4-6月(第4四半期)利益は予想を上回ったが、7-9月(第1四半期)の売り上げ見通しが期待に届かず、同社の株価は下落した。
5日の発表資料によると、4-6月期の調整後1株利益は39.25ドルとなり、アナリスト予想の34.37ドルを上回った。7-9月期については、売上高が103億-108億ドル、調整後1株利益が44-46ドルとの見通しを示した。アナリストの予想平均は売上高111億6000万ドル、1株利益45.58ドルだった。
市場では、同社の4-6月期の利益と売上高が急増し、強気の見通しを示すと広く予想されていた。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどのテクノロジー大手は先週、AI向けコンピューティングインフラへの巨額投資を続ける方針を表明した。両社の株価は好決算発表後に急伸したが、サンディスクの株価は決算発表後の時間外取引で一時8%下げた。
同業ウエスタン・デジタルもこの日の取引終了後に決算を発表。4-6月期の調整後1株利益は予想を上回ったものの、7-9月期の見通しは予想を下回った。
ブルー・チップ・デーリーのチーフテクニカルストラテジスト、ラリー・テンタレリ氏は決算発表前に、「現在の市場は反応が読みづらく、サンディスクの決算発表がどう受け止められるか予測できない」と指摘。「決算後に10-15%上昇しても、同程度下落しても驚かない」と述べていた。

サンディスク株は7月に47%急落。時価総額は1500億ドル(約23兆6400億円)余り減少し、2025年2月の上場以来、月間で最大の下げとなった。今年の上昇率はなお501%とS&P500種指数で首位だが、6月末時点の858%から大きく縮小した。今週は再び上昇し、3日に6%、4日にはさらに11%値上がりしていたが、5日は5.4%安で通常取引を終えていた。
サンディスク株の先月の急落は、大手テクノロジー各社によるAI向けコンピューティングインフラへの巨額投資が持続するかとの懸念が強まったのがきっかけだ。投資家心理の変化で売り込まれたのは、同社だけではない。
ウエスタン・デジタルも6月18日に過去最高値を付けて以降、30%下落した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7月に21%下げ、08年以来最悪の月となった。米半導体メーカーのマーベル・テクノロジーやインテルなど、AI関連株の多くも先月35%余り下落した。
サンディスクと緊密な関係にある韓国のメモリー半導体メーカー、SKハイニックスが先週発表した決算は、市場予想に届かなければ株価が急落する可能性がある状況を浮き彫りにした。4-6月期の営業利益と売上高がアナリスト予想を下回り、韓国市場で株価は一時30%下落。週末にかけて下げ幅を縮小した。
ラウンドヒル・ファイナンシャルのデーヴ・マッツァ最高経営責任者(CEO)はサンディスクの決算発表前に、「ストレージ市場のファンダメンタルズは過去10年で最も良好だが、それに見合う期待も株価に織り込まれている。予想を大幅に上回る決算と、さらに強い見通しを示さなければ、高いハードルを越えられない」と指摘。「サンディスクとウエスタン・デジタルはメモリー関連株の中でも値動きが大きい。市況が良いときは上昇に弾みがつく一方、悪化すれば下げも急になる」と説明していた。

メリウスのアナリスト、ベン・ライツェス氏は「サンディスクは新たな事業モデルを巡る契約獲得が進んでおり、他社との差別化ができている」と指摘。「大量の自社株買いが可能で、実施する意欲もあるとみている」と述べた。
ウォール街では同社株への強気な見方が圧倒的に多い。今回の決算発表前の時点で、ブルームバーグが追跡する担当アナリスト30人のうち25人が「買い」を推奨し、売り推奨は一人もいない。目標株価の平均は2433ドルで、今後12カ月で約70%の上昇余地を示す。オプション市場は、決算発表後に上下14%の株価変動を織り込んでいた。
支援材料となり得るのは、先月の急落で株価が1年余りで最も割安な水準となった点だ。今後12カ月の予想利益に基づく株価収益率(PER)は約7倍と、上場後の平均である11倍を大きく下回る。
サンディスク株を保有するトータス・キャピタル・アドバイザーズのシニアポートフォリオマネジャー、ロブ・サメル氏は決算発表前に、「6月末からの株価下落で、バリュエーションは大幅に魅力を増した」と指摘。「ただ、決算への市場の期待はなお高い」と述べていた。
原題:Sandisk Corp 1Q Revenue Forecast Misses Estimates、Sandisk Earnings Give Dip Buyers an Opening After Stock’s Plunge(抜粋)
--取材協力:Subrat Patnaik、Sana Pashankar、Carmen Arroyo、David Watkins.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.