中東情勢の悪化で、日本を含む各国のエネルギー産業に影響が及んでいます。アジアでは原油から作られるナフサも供給不安が広がっていますが、その代わりとして、ある原料が注目されています。
アメリカ トランプ大統領
「(交渉は)順調だ。結果は48時間以内に分かるだろう」
4日、イランとの戦闘終結に向けた交渉が「順調だ」と強調したトランプ大統領。イラン側は、3日に「アメリカと交渉していない」としていて、先行きは依然として不透明です。
長引く事態は、各国の市民生活に影響を与えています。
タイの首都バンコクにある生鮮市場。
記者
「飲食店では、商品を入れる袋や容器などにプラスチックが使われていますが、中東情勢の影響で値上がりしているということです」
ビニール製品の販売店員
「500グラムの袋が33バーツ(約160円)でしたが、戦争で1.5倍に跳ね上がりました。急すぎです」
原油の6割を中東に依存するタイでは、プラスチックの原料となるナフサの供給不安が広がっています。
飲食店の店主
「政府の支援がなければとても厳しいです。多くの店が苦境に立たされています」
また、JNNの取材に応じたタイの石油化学大手「SCGC」のサクチャイCEOは、緊張が続くホルムズ海峡で自社の一部のタンカーが長期間、足止めされていると明かしました。
SCGC サクチャイCEO
「当社はホルムズ海峡を経由した原材料の輸入に大きく依存しており、甚大な影響を受けています」
さらに、主力のナフサが調達できず、3つの工場のうち、2つが操業停止に追い込まれたのです。
SCGC サクチャイCEO
「たとえホルムズ海峡が開放されたとしても、各企業や拠点の生産能力は以前と同じにはならないでしょう。新たな時代を見据えた事業を長期で展開しなければならない」
原料調達の選択肢を広げるため目をつけたのが、天然ガス由来の「エタン」です。
エタンは、原油由来のナフサより2割以上安く、ポリエチレンといった汎用プラスチックや一部の高機能な製品の原料となります。
SCGCは今後、エタンを主要生産国のアメリカから輸入。工場をエタン用に改良し、ナフサ不足を補う計画です。
そのほか、中国やインド、韓国などの企業もエタンへのシフトを進めていますが、日本ではどうなのでしょうか。
炭化水素リサーチ 柳本浩希 代表
「ナフサからしかとれない石油化学製品もたくさんあるんですね。それを有効活用してきたっていうのが日本の石油化学産業の歴史なので、(エタン由来などの)汎用(プラスチック)分野は、もう輸入にどんどん切り替えていく。ナフサベースのコストでもしっかり販売できるような、付加価値のついたものを国内では事業としてやっていく」
一方、すでに複数の日本企業が海外でのエタン関連事業に参入していて、こうした動きが今後も広がるかもしれません。
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