(ブルームバーグ):大手テクノロジー企業によるAIへの巨額投資は「経済の幅広い分野に波及」しつつあり、工業株の押し上げ要因になる見込みだ。米銀ウェルズ・ファーゴがこう分析した。
ストラテジストのオソン・クウォン氏は、増加するデータセンター建設向けの機械や設備、工具を製造する資本財企業に着目。4日付のリポートで、AIとの結び付きが強まっている半導体業界と同様、最も恩恵を受けられる銘柄になっていると指摘した。
クォン氏はインタビューで、「資本財セクターはここ数カ月で、半導体セクターと最も相関が高い分野となった」と語った。
クォン氏は、AI投資が工業企業へ波及している兆候をいくつか挙げた。7月の製造業活動はこの4年余りで最も速いペースで拡大。ウェルズ・ファーゴの推計では、AI以外の設備投資は前年から10%増えた。商業・工業向け融資の伸びも加速している。
投資家はこの数カ月、いわゆる「オールドエコノミー」銘柄に強い関心を寄せており、今年はS&P500種株価指数のけん引役の入れ替わりが起きている。工業セクター株の業種別指数は20%上昇し、エネルギーと情報技術に次ぐ上昇率となっている。

鉱業・建設機械メーカーの米キャタピラーは、恩恵を受ける企業の一つだ。データセンターブームにより第2四半期の利益が拡大したことを受け、同社株は4日に急伸した。
クォン氏によると、現在建設中の大規模データセンターは約40カ所あり、さらに100カ所超が計画されている。大半はテキサス州、ジョージア州、バージニア州、ペンシルベニア州に集中している。
クォン氏は、「データセンターが稼働する地域で見られる経済効果が、新たな潮流になるなら、その波及効果はまだまだ始まったばかりだ」と指摘する。
一方で、データセンターを巡っては、電気料金や水資源、地域社会への影響を懸念する住民の反対が強まっており、業界への反発が起きる可能性も高まっている。
同氏は11月の米中間選挙を挙げ、「特に選挙に向け、政治的な反発がデータセンター建設計画全体にとって最大のリスクになると思う」と語った。
原題:AI Boom Is ‘Trickling Down’ to Old-Line Stocks, Wells Fargo Says(抜粋)
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