(ブルームバーグ):日本銀行が6月に開いた金融政策決定会合では、国債買い入れの狙いが長期金利の引き下げと市場に誤解されれば信認に悪影響が出るとの意見が出た。議事要旨を5日に公表した。
会合で議論した国債買い入れの減額に関して1人の委員は、「国債買い入れの狙いが財政ファイナンスや長期金利の引き下げと市場に受け取られると、日銀の信認に悪影響を及ぼす」と懸念を表明。何人かの委員は、減額を停止することについて「財政に対する配慮ではないことはしっかりと説明する必要がある」と主張した。
会合では、政策金利を31年ぶりの高水準となる1.0%程度に引き上げるとともに、国債買い入れの減額を27年4月以降は停止することも決めた。足元の日米の通貨当局による円買いの協調介入の狙いが長期金利の上昇抑制とも指摘される中、高市早苗政権の財政政策と金融政策の関係にも再び注目が集まっている。
会合で内閣府の出席者は、日銀の国債買い入れについて「バランスシート縮小がもたらすマクロ的な影響の確認、市場安定のための適切な対応が必要だ」と発言した。政府が7月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」での金融政策への言及を巡っては、日銀けん制と受け止められた経緯がある。
利上げ継続
先行きの金融政策運営に関し、何人かの委員が1%へ利上げ後も金融環境は緩和的とし、経済・物価が見通しに沿って推移すれば「利上げを進めていく方針を維持すべきだ」と発言。ある委員は、「政策金利を中立金利に早めに近づけるべきだ」とし、「数カ月に一度のペース」の利上げを主張した。
会合では利上げ継続方針を維持するとともに、政策判断で重視する一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率が目標の2%から上振れるリスクに言及し、インフレへの警戒感を強めた。足元の金利スワップ市場では、日米協調介入を受けて10月までの早期利上げをほぼ織り込んでいる。
病気治療で入院中だった植田和男総裁は会合を欠席したが、意見を書面で提出。総裁を除く8人で行われた採決では、賛成7人に対し、浅田統一郎審議委員が政策維持を主張して反対票を投じた。
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