(ブルームバーグ):7月28、29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きに反対票を投じた米連邦準備制度理事会(FRB)の当局者2人が31日、インフレへの対応が遅れれば、将来的に一段と積極的な金融引き締めが必要になる恐れがあると警告した。
クリーブランド連銀のハマック総裁は「高いインフレが長引くほど、それを抑えることはさらに困難になり、そのコストも大きくなり得る」とする声明を公表した。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も別の声明で、高インフレが定着するリスクに対応するため、「インフレと雇用の動向に関するデータを見極めながら、段階的に金融引き締めを進める方が望ましい」との考えを示した。
現在のインフレを押し上げている要因として、ハマック、カシュカリ両氏は、さまざまな供給ショックを挙げた。ハマック氏は、需要面からの圧力もあるとみていると述べた。カシュカリ氏は、1970年代後半-1980年代初頭と同様、FRBの金融政策は供給要因によるインフレにも有効だと指摘した。両総裁とも、米国経済全体については、失業率が低く、なお堅調だとの認識を示した。
FRBは9対3の賛成多数で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.5-3.75%のレンジに据え置くことを決めた。据え置きは5会合連続となる。だが、中東情勢の再緊迫化やAIを背景とする大規模な投資ブームを受けてインフレ圧力が再び高まる中、利上げを支持する当局者は増えている。
インフレ圧力
FRBが重視するインフレ指標である米個人消費支出(PCE)価格指数は、6月は前月比0.1%低下した。今月初めに発表された別のインフレ指標でも、ガソリン価格の大幅な下落を背景に同様の低下が確認された。だが、エコノミストらは、イラン戦争が再び激化し、7月に原油価格が上昇したことから、今夏前半に見られたインフレ鈍化は長続きしない可能性があると警告している。
カシュカリ氏は6月下旬のインタビューで、幅広いインフレ圧力がみられることを理由に、FRBは今年中に利上げを実施する必要がある可能性が高いとの考えを示していた。同氏は前回会合で、少なくとも年内1回の利上げを見込んだ8人の当局者の1人だ。
ハマック氏、カシュカリ氏、ダラス連銀のローガン総裁は、今回の据え置きに反対し、政策金利を0.25ポイント引き上げるべきだと主張した。
この3人は、4月のFOMC会合でも反対票を投じた。当時は金利据え置き自体には賛成したものの、声明の文言が、次の政策変更は利下げとなる可能性が高いと受け取れる点に異議を唱えていた。
市場では、7月のFOMCで政策金利が据え置かれるとの見方が大勢だった。それでも、翌30日には債券市場で売りが先行し、米30年債利回りは19年ぶりの高水準まで上昇した。ウォーシュFRB議長が据え置き判断の理由について詳しい説明を避け、政策金利を変更する条件について具体的な指針を示さなかったことが背景にある。
原題:Fed Dissenters Say Rate Hikes Needed to Tame Stubborn Inflation(抜粋)
--取材協力:アンスティー・クリストファー.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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