(ブルームバーグ):巨大テクノロジー企業がAIへの投資計画を数兆ドル規模に拡大させる中、クレジット市場の重要指標にひずみが生じ始めている。このひずみは、AI関連の資金調達コストを上昇させるだけでなく、勝ち組と負け組を占う早期のシグナルでもある。
テクノロジー企業の債務不履行(デフォルト)に備えた保証コストが急上昇している。AIへの巨額投資が採算に見合うのかとの懸念が強まっていることが一因だ。
AIブームが広がる中、関連企業は競争力維持のために債務を膨らませているが、銀行や投資家などは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)を使って、そのエクスポージャーをヘッジしている。
CDS市場はクレジット市場関係者以外から注目されることは少ないが、その波及効果は大きなものになり得る。企業のCDS保証料率が急上昇すると、借り入れコストも押し上げられる可能性がある。債券投資家が債務返済リスクの判断材料とするためだ。
最近のCDS上昇は顕著だ。オラクルのデフォルトに備えた保証コストは今週、数年ぶりの高水準に達した。昨年末時点では145ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ほどだったが、現在は215bpを上回っている。スペースXのCDSも、先月に取引が始まって以降に大きく上昇して、29日現在は約185bpとなった。
エヌビディアやメタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、アルファベットのCDSも過去最高水準を更新した。ただ、オラクルやスペースX、コアウィーブほどの水準には達していない。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は「市場はAI競争における勝者と敗者を選別し始めており、敗者と見なされる企業は増えている」と述べた。

CDSの上昇に伴い、社債利回りも大幅に上昇している。オラクルの2054年償還債の利回りは7.8%まで急上昇し、今年に入ってからほぼ1ポイント高くなった。
AI関連企業は欧州の高格付け社債から米国の商業用不動産担保証券(CMBS)、レバレッジドローンに至るまで、あらゆる市場で資金調達を進めているが、投資家は慎重姿勢を強めている。
原題:Wall Street Picks AI Winners and Losers as Credit Swaps Surge(抜粋)
(チャートを追加して更新します)
--取材協力:Ying Luthra.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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