韓国株は29日の取引で急落した。半導体大手SKハイニックスの決算内容が市場の期待に届かず、AIを巡って既に不安定だった投資家心理はさらに悪化。個人投資家の間で絶望と不満が広がった。

韓国総合株価指数(KOSPI)は一時13%下落し、一時売買を停止するサーキットブレーカーも2営業日連続で発動された。終値では6%安と下げを縮めたが、2営業日の下落率は16%に達した。

年初にはSKハイニックスとサムスン電子の2社がほぼ相場を支え、世界市場をリードする上昇を記録したものの、KOSPI指数は今や月間で約33%と過去最大の下落率となる公算が大きい。

これを受けて韓国政府は同日午後6時から、市場動向を協議する緊急会合を開く。具潤哲副首相兼財政経済相が主宰し、国内の主要金融当局が全て参加すると、柳東秀議員が明らかにした。

財務相は謝罪

29日の韓国国会では、閣僚らが議員の厳しい追及を受けた。今回の相場急落の一因に、5月に解禁された単一銘柄のレバレッジ型上場投資信託(ETF)があると指摘する議員らに対し、具氏は上場を許可する前にもっと注意深く商品を精査するべきだったと認め、謝罪した。

市場では、楽観論が恐怖と投げ売りへと急速に変わっている。投資家は業界に流れ込む巨額投資を正当化できるのか疑問視しており、中国勢による最近の技術進展も懸念材料となった。個人投資家は市場調整局面で続いていた押し目買いから一転、同日にKOSPI構成銘柄を2兆ウォン(約2300億円)売り越した。この売越額は海外投資家を上回った。

サムスン電子など複数の韓国企業の株式を保有する個人投資家のキム・ボムジン氏は「地獄を見た」と語った。また、以前は毎日のように株式市場について話していた友人たちは市場急落で急に口数が減り、「言葉を失ってしまった」という。

ソーシャルメディアには、証券会社のアプリに表示された資産評価額の急減を映し出すスクリーンショットの投稿が相次いでいる。SNSの「スレッズ(Threads)」では、一時は6億ウォンを超えていた含み益が、累計7億ウォンの損失へと転落した経緯の投稿や、損失が投資額の40%を超え、結婚資金として貯めていた預金を株式につぎ込んだことを嘆く投稿が見られている。

「人々はとにかく逃げ出しているように見える」と、DSアセット・マネジメントのファンドマネジャー、ユン・ジュンウォン氏は指摘。「特に個人投資家によるこれほどの売りは理解し難い。テクニカル面でも心理面でも、これは非合理的な売りだ」と語った。

SKハイニックスは、四半期利益が前年同期比で6倍に拡大したと発表した一方、設備投資を少なくとも310億ドルまで拡大する方針を示した。アナリスト向け決算説明会では、株主還元や顧客との長期契約に関する詳細な説明が乏しく、その後に株価は一時20%下落した。2日間の株価下落率は約30%に達した。

「SKハイニックスは設備投資を40兆ウォン台後半へ引き上げる一方、株主還元や長期契約の価格設定については言及しなかったため、投資家の不安を招いた」と、イートロでアジア太平洋・中東地域担当主任アナリストを務めるジョシュ・ギルバート氏は指摘した。「KOSPIではSKハイニックスとサムスン電子の比重が大きく、両社が同時に下落すると逃げ場はない」と述べた。

SKハイニックス株の下落は、AI業界の中核企業に寄せられた極めて高い期待と、メタ・プラットフォームズなどの大手テクノロジー企業が必要以上にデータセンターを建設しているのではないかとの懸念の双方を反映している。SKハイニックスは一貫して好調な業績を示しているものの、世界のAI投資が半導体業界の高い株価評価を正当化できるのかとの疑念が強まったことから、株価は6月以降下落が続いている。

強制ロスカット相次ぐ

KOSPI指数は29日に6000を割り込み、4月上旬以来の低水準を付けた。投資家は30日に発表予定のサムスン電子の決算や、今週予定されている米大手テクノロジー企業の決算発表を注視している。

KOSPIで2営業日連続のサーキットブレーカーが発動したのは初めてだ。2000年以降に発動された15回のサーキットブレーカーのうち、実に9回が今年に集中している。

中小型株中心のKOSDAQ指数も10%超下落し、サーキットブレーカーの発動によって20分間の売買停止となった。

年初の韓国株相場を信用取引やレバレッジ型上場投資信託(ETF)への投資で押し上げた個人投資家が、相場から撤退し始めている兆候も見られる。

「今日は強制ロスカットが数多く発生した。個人投資家の売りが落ち着くまで見守る必要がある」と、フィボナッチ・アセット・マネジメントのユン・ジョンイン最高経営責任者(CEO)は述べた。

原題:Korean Stocks Plunge 16% in Two-Day Burst of Retail Selling、South Korea to Hold Emergency Market Meeting After Kospi Turmoil(抜粋)

(相場を更新し、緊急会合に関する言及を第4-5段落に、個人投資家の反応を第7-8段落に加えます)

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