(ブルームバーグ):米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は28日、オープンウエート型のAIシステムは、AI産業の発展に欠かせないとしてその重要性を訴えた。中国の新興企業ムーンショットAI(月之暗面)による予想外の躍進を受け、対応を協議しているワシントンの政策当局者らに警鐘を鳴らした形だ。
フアン氏はワシントンで米議員らと会談した後、利用者がダウンロードして用途に応じて調整できるオープンウエート型モデルは、AIを幅広い分野で安全に活用するうえで重要だとの考えを示した。
民主党のマーク・ワーナー、アダム・シフ両上院議員との会談後、記者団に対し、「米国の産業にとって、安全保障のためにも、安全性のためにもオープンウエートが必要だ。業界全体の活力にとって極めて重要だ」と訴えた。
おりしも、トランプ政権と連邦議会はムーンショットの新たなオープンウエート型モデルへの対応を検討している。このモデル「Kimi K3」は27日、一般向けの提供が始まった。アンソロピックやOpenAIの製品と競合するKimi K3の登場を受け、当局がオープン型AIへの規制を強化するのではないかとの懸念が業界内で広がっている。
Kimiのリリース以降、フアン氏はオープンウエート型モデルの重要性をこれまで以上に訴えている。24日には、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOら数十社のテクノロジー企業の幹部とともに、オープン型AIへの規制に反対する書簡を公表した。
書簡では、オープンウエート型モデルが「高度なAIを、より利用しやすく、柔軟に活用でき、広く利用可能にする重要な基盤だ」としている。フアン氏は、自身が新たに開設したX(旧ツイッター)の個人アカウントの初投稿で、この書簡を共有した。
エヌビディアは27日にも、オープンウエート型モデルはサイバーセキュリティーの強化に不可欠だとする新たな声明を発表した。この声明にも数十社が賛同し、マイクロソフトのほか、パランティア・テクノロジーズやセールスフォースなどが名を連ねた。
エヌビディアにとっても、オープン型AIへのシフトは収益面で追い風となる可能性がある。オープンウエート型モデルは導入コストが比較的低く、より多くのAI関連収入が、基盤となるハードウエアに流れやすくなるためだ。
米国ではOpenAIなど一部企業もオープンウエート型モデルを提供しているが、主力は顧客に販売するクローズド型や独自仕様のシステムとなっている。一方、DeepSeek(ディープシーク)など中国企業はこれまで、より低コストのオープン型モデルを相次いで投入している。オープン型は、最先端の米国勢のソフトウエアには後れを取ることが多いものの、価格を考えれば十分に魅力的な製品となっている。
上院情報特別委員会に所属するワーナー議員は会談後、フアン氏の説明には説得力があったと評価した。「Kimiのような中国製モデルが登場し、米企業でもオープンソースを採用する動きが広がる中、この流れを元に戻せるとは思えない」と語った。
原題:Nvidia CEO Jensen Huang Urges Support for Open-Weight AI Models(抜粋)
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