28日の日本市場は株式が急反落し、日経平均株価の下落率が4%を超えた。AIに対する過剰投資や中国企業参入による競争激化が懸念され、半導体などテクノロジー銘柄に売りが優勢だ。消費税減税実施時の財政の不透明感が先行し、債券は下落。円は対ドルで163円台後半で推移している。

総額7500億ドル超(約123兆円)のAIインフラ案件を巡り協議を進めていることを受け、巨額投資への懸念で米エヌビディアの信用リスクが急上昇し、同社株は27日の取引で約5%下げた。加えて、中国の政府系企業が半導体製造工程で使用する液浸型深紫外線(DUV)露光装置の製造を開始したとの報道もあり、半導体製造装置をはじめ、日本のAI関連株の売り要因となっている。

野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは、エヌビディアの信用リスクの拡大や中国が製造装置分野でも台頭する可能性は悪材料だと指摘し、足元の半導体関連は悪材料に反応しやすいとの見方を示した。

東証33業種はAI関連銘柄を含む電機や非鉄金属、機械、金属製品の下げが大きく、銀行株も安い。半面、小売りや陸運、食料品、医薬品など内需・ディフェンシブセクターは堅調。売買代金上位ではソフトバンクグループやアドバンテスト、三菱UFJフィナンシャル・グループ、東京エレクトロン、太陽誘電が下落。

日経平均は一時4%(2600円)以上下落し、東証株価指数(TOPIX)も100ポイント(2.6%)超下げた。

債券

債券は下落して始まったものの、下げは限定的。高市早苗首相が食品消費税を2027年4月から1%に引き下げる方針を固めたと朝日新聞が報じ、財政悪化への懸念が相場の重しとなる半面、前日の国際原油市況の下落や米国長期金利の低下を受けた買いが下支え要因となっている。長期国債先物9月限は一時20銭安の126円94銭まで下げた後、プラス圏に転じた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、消費減税の可能性は既に意識されていたものの、年5兆円規模の代替財源の道筋が依然として明確になっていない点を踏まえ、ネガティブに作用すると指摘した。

SMBC日興証券の奥村任チーフ金利ストラテジストも、高市首相の消費減税に関する最終判断を前に買いにくい面があるとした半面、原油価格の下落は債券相場にポジティブとみている。

為替

円は対ドルで163円台後半で膠着(こうちゃく)感の強い展開だ。中東情勢の先行き不透明感からインフレ警戒が続き、ドル買い優勢の展開だが、介入警戒感も残っている。

三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は、米・イランの攻撃停止がどれだけ続くかに不透明感があり、「ドルが買い戻された」と指摘。ただ、日米の金融政策決定を前にポジションを取りにくく、原油価格の下落と介入警戒感からドル・円が164円を超える可能性は低いとみる。

みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミストは、食料品の2年限定の消費減税ついては、財源に対する市場の信認が得られなければ円安が進む可能性があると予測。ただ、日米中央銀行の金融政策決定会合を控え、ドル・円が164円を抜けるのはハードルが高いと言う。

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