トランプ米大統領は24日、イランへの大規模な追加攻撃に向け「軍は万全の態勢を整えている」と述べる一方、両国の協議が続く中で大規模な攻撃を実施するかどうかはまだ決めていないと語った。

トランプ氏はホワイトハウスで発言した。米国とイランは2週間近くにわたり限定的な攻撃を応酬しており、一時的な戦闘停止は、敵対行為の再開によって頓挫した。

イランが国際海運の要衝であるホルムズ海峡に対する支配力を強める中、米中央軍は23日、同海峡におけるイランの商船攻撃能力を低下させることを目的とした攻撃を13夜連続で実施した。一方、イランはクウェートやバーレーンを含む中東地域の米軍基地を標的に報復している。

トランプ氏は大統領執務室で、新たな大規模軍事行動を開始する決断を下したかと問われ、「ノー」と答えた。

「彼らとは今まさに協議している。日を追うごとに、彼らはますます真剣になっていると思う。理由はおそらく誰の目にも明らかだ」と述べた上で、「われわれは万全の態勢を整え、いつでも行動できる。しかし協議を続けているので、その結果を見守りたい」と語った。

トランプ氏の発言は、暫定的な和平合意が崩壊し、ホルムズ海峡が事実上閉鎖されたことで、同氏が難しい立場に置かれていることを浮き彫りにしている。同氏は23日、SNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランや親イラン武装組織フーシ派が商船を攻撃した場合、「大規模な軍事的報復」を行うと警告していた。

こうした動きが、2月下旬の戦闘開始時に米国と共にイランを攻撃したイスラエルと歩調を合わせて進められているかどうかは明らかではない。イスラエル首相府は声明で、ネタニヤフ首相が28日にワシントンでトランプ大統領と会談すると明らかにした。

トランプ大統領は24日にもSNSへ投稿し、ロシアと中国がイランに武器を供与すれば「非常に深刻な事態になる」と警告した。一方で、両国について「戦争には関与していない」との認識も示した。報道によると、米国と西側諸国の情報機関は、中国とロシアがイランに標的情報や部品を提供していると分析しているが、中国とロシアはこうした主張を否定している。

イランとの協議に誰が関与しているかを24日に問われたトランプ氏は、バンス副大統領とルビオ国務長官の名前を挙げた。また、11月の中間選挙で戦争に伴う燃料価格高騰を理由に共和党が有権者の支持を失う可能性があるにもかかわらず、戦争を急いで終わらせるつもりはないとの考えを示した。

イエメンを拠点とするフーシ派は今週、サウジアラビアの石油タンカーを攻撃したと主張し、紛争は新たな局面を迎えた。原油価格は1バレル=100ドルを突破し、米国のガソリン価格も1ガロン=4ドルを超えた。北海ブレント原油先物は24日に反落したものの、紛争がくすぶる中で週間では約10%上昇する見通しだ。

トランプ氏は今週、イランに対し「今後、船舶や積み荷、またはそれらに関連するあらゆるものに生じた損害は全て、米国が保有・管理するイラン資金によって賠償される」とも警告した。

米国内では約20億ドル(約3300億円)のイラン資産が凍結されている。さらに多額の資産が他国にあり、米国の制裁によって送金が禁じられている。その規模は240億ドルから1000億ドル超まで推計に幅がある。イランのアラグチ外相はXへの投稿で、「他国の資産を差し押さえ、将来の無関係な請求の支払いに充てることは、危険な前例となる」と批判した。

戦闘は先月の停戦合意が崩壊した後、新たな局面に入った。戦闘の激しさは最も激しかった時期よりは弱まっているものの、トランプ大統領がホルムズ海峡でイランが船舶を攻撃するたびに橋や発電所を1カ所ずつ破壊するとした警告を実行した場合、イランはエネルギー施設を含む域内のインフラを標的にすると警告している。戦争前には世界のエネルギー供給の約2割が通過していたホルムズ海峡では、現在、船舶の往来がほぼ途絶えている。

フーシ派の今週の攻撃は、別の海上の要衝を脅かしており、一部の船舶は既にバベルマンデブ海峡の通航を回避している。それでも、サウジアラビア産原油を積載した中国船籍のタンカー2隻は同海峡を通って紅海を離れた。

トランプ大統領は先月、世界経済が急激に悪化するリスクを停戦に合意した主な理由として挙げた。11月の中間選挙を前に政治的圧力が高まっており、議会共和党は多数派維持に苦戦している。世論調査では、この戦争への支持は広がっていない。下院は23日、トランプ大統領に戦争停止を求める決議を可決した。こうした決議は2度目だが、法的拘束力はほとんどない。

国営イラン通信(IRNA)は保健当局の話として、6月27日以降の米軍によるイラン空爆で59人が死亡、666人が負傷したと報じた。

イラン政府が「抵抗の枢軸」と呼ぶ勢力の一角を占めるフーシ派は、イエメン北部の大半を支配し、首都サヌアや紅海に面する港湾都市ホデイダも掌握している。ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まった後、フーシ派は無人機やミサイルによる攻撃を繰り返し、2023年以降、紅海の海上輸送を混乱させてきた。トランプ大統領は昨年、同派への空爆を命じたが、その後は一部停戦を受けて作戦を終了した。

原題:Trump Says Military ‘Locked and Loaded’ on Iran as Talks Extend(抜粋)

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